Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
その幻想は純粋…?
この作品はオリジナルアニメ作品だったみたいですね。手掛けられたのは「天使のメソッド」や「Dimension W」を制作したStudio 3Hzさん…2013年に設立されたばかりの新しい会社です。
天メソといえばノエル…Dimension Wといえばミラ…どちらも可愛らしいキャラだったと思います。
物語は、ココナという中学生の少女の前にパピカという女の子が突然現れたところから始まります。
ココナは勉強のできる優等生タイプの普通の女の子なのですが、パピカはまるでその真逆…
天真爛漫で自由奔放で無鉄砲で…
そんなパピカですが、「ミミの欠片」を集めるためにピュアイリュージョンに行かなければいけない使命があったのですが、ピュアイリュージョンに行けるパートナーが見つけられずにいました。
でも、ココナはその力を持っていたんです。
ココナはパピカの常套手段…半ば強引にピュアイリュージョンの世界に行く事となり物語が動いていきます。
蓋を開けてみると、ミミの欠片を集めていたのはパピカだけではありませんでした。
パピカは「フリップフラップ」という組織に所属しているのですが、「アスクレピオス」という敵対する組織がいたんです。
ミミの欠片を集めるため「アスクレピオス」は相当の労力を注ぎ込んでいました。
欠片の場所を特定するのが難しかったから…
でもパピカとココナの加入によって、何故か彼女たちが向かったピュアイリュージョンの周囲に欠片がある事が奪い合いを重ねるうちに分かっていくのです。
こうして欠片の奪い合いは更なる激しさを増していくのです…
この作品は、色んな出来事の顛末が物語の終盤で次々と明るみになるタイプの作品です。
そのため、中盤はほぼ欠片の奪い合いに終始する展開が続きます。
それは構わないのですが、本音を言うともう少し早い段階で種明かしをして欲しかったと思います。
だから事はいつも突然起こります…
それには大概ビックリさせられるのですが、それ以上に驚いていたのは登場人物たちです。
だって、目の前で突然梯子を外された様な不安…衝撃を受けるのですから…
特にココナはそんな気持ちを味わう機会が人一倍多かったのではないでしょうか。
幼い頃一人で不安を抱えていた時…声を掛けて貰えたのが本当に嬉しかった…
だからずっと一緒にいたいと思ってた…
でもココナのその気持ち…口にしなくてもちゃんと相手に伝わっていました。
本当の目的は確かにあった…
けれど、人の気持ちなんてそんな単純に割り切れない…
だから咄嗟に身体が動いてしまう…
例えそれが自身を危険に晒すことだと知っていても…
物語は現実と幻想の境界の曖昧さを増しながら紡がれていきます。
そもそも「ミミの欠片」って何だったんでしょう…?
何故その欠片を集めなければいけなかったのでしょう…?
そしてパピカはどうしてあんなに欠片集めに必死だったんでしょう…?
どうしてパピカはココナの前に現れたのでしょう…?
これらの謎の気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、ZAQさんの「Serendipity」
エンディングテーマは、TO-MAS feat. Chimaさんの「FLIP FLAP FLIP FLAP」
ZAQさんの曲らしく爽快なオープニングです。
個人的に好きだったのはエンディングアニメ…お伽話の世界みたいだと感じていました。
1クール13話の物語でした。
この様に多くの謎を孕んだ物語の謎…最後までちゃんとみないと理解できないと思います。
私もこの作品に対する理解度には正直自信がありません。
幻想をテーマに描くのって、どこで現実と線引きするかで難易度も面白さも大きく変わるという事がこの作品を見て分かりました。