Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
表彰台の一番高いところを目指して…
この作品はオリジナルアニメ作品だったようですね。
私はフィギュアスケートを題材にした作品を視聴するのが今回が初めてです。
だから雰囲気を含め、どんな風な作品になるのか全く見当が付きませんでした。
この物語の主人公はフィギュアスケート特別強化選手のである23歳の勝生勇利…
元々実力はある選手なのですが、メンタル面の弱さから初出場したグランプリファイナルで大敗を喫しただけでなく、その他の大会でも鳴かず飛ばずのままシーズンが終了してしまいました。
失意のまま故郷に戻り、昔のリンクメイトである西郡優子に頼んで地元のリンクで滑らせて貰った時、勇利が憧れている世界トップフィギュア選手のヴィクトル・ニキフォロフのプログラムを滑ったのですが、その滑りを優子の娘が撮影しており、無断でネットに上げて全世界に発信してしまったんです。
その動画は色んな人の目にとまりました。そして、それはヴィクトルの目にも…
そして珍事は留まる事を知らず、日本にいる勇利の前に突然ヴィクトルが現れて、コーチを申し出るんです。
世界のトップスケーターが日本人の一選手の専属コーチを務める…
この噂は瞬く間に広がり…物語が動いていく事となるのです。
コーチの期間は次のシーズンまで…目標はグランプリファイナルで金メダル…
勇利は決して鬼ではありませんが、ヴィクトルは間違いなく金棒以上の存在…
こうして次のシーズンに向けて二人三脚で進みだそうとするのですが、ヴィクトルの判断を快く思っていない人もいたのでした。
真っ先にやってきたのは、ヴィクトルと先約を交わしており、隙あらばヴィクトルをロシアに連れ帰ろうと画策するジュニア金メダリストのユーリ・プリセツキーでした。
テコでも動かないユーリに対し、ヴィクトルは彼の振り付けたプログラムを滑り、勝った方のコーチを引き受けることを約束するのです。
昨シーズンは失意のシーズンだった…だから今度はヴィクトルと一緒に巻き返しを図りたい…
きっと勇利はこんな事を考えていたんだと思います。
その一方で大好きで憧れのヴィクトルに自分の全力を見て欲しいという欲求もあったと思います。
こうして二人のユーリの戦いが始まっていくのです。
フィギュアスケートってアニメで表現したらどうなるんだろう…と思っていました。
そして見てびっくり…まるでTVから流れてくる本物のスケート放送みたいに画面の中で選手が滑っているんです。
スケート放送といえば、技を教えてくれる解説も流れますが、それも本物そっくり…
滑っているのが2次元のキャラか実際のスケーターかの違いだけ…
会場の熱気も滑っている音も…ジャンプの前の緊迫した一瞬の空気も…まるで本物なんです。
これには恐れ入りました。
私たちは実際にスケートの放送を見て、選手を取り巻く関係者が今この瞬間何を考えているかは分かりません。
滑走前…当然緊張すると思います。そんな時、どういう言葉でリンクに向かっていくのか…ほんの少しだけ分かったような気がします。
物語はフィクション…だけど、今目の前で起こっているのはグランプリファイナルを始めとする各種大会…
選手の滑りも開設も本物さながら…そして選手の息遣いまでも聞こえる緊迫感…
全てが本物志向だから、これだけの感動を与えられるんだ…そう思った作品でした。
勇利にとって、きっと一番真剣にスケートに取り組んだシーズンだったと思います。
そして自分の弱点がメンタルにある事も理解しています。
全ての障害を跳ね除け、目標である表彰台の一番高いところに手は届くのか…
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、DEAN FUJIOKAさんの「History Maker」
エンディングテーマは、YURI!!! on ICE feat. w.hatanoさんの「You Only Live Once」
主題歌ではありませんが、勇利のフリープログラムの曲「Yuri on ICE」のピアノの調べの格好良さは半端無かったと思います。
1クール12話の物語でした。物語も内容同様、綺麗に纏まっていたと思います。
作画、SEが秀逸な作品は見ていて気持ちが良いです。
初めてのスケートを題材にした作品をみましたが、これはまた同じ様な作品に出合えるのが楽しみです。
しっかり堪能させて頂きました。