たんたんたぬき さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
レムがヒロイン
2016年度代表作品。実はこの作品すっかり忘れていました。文句なしに春はこの作品がNO1です。同じループで被っていたので個人的好みでは圧倒的に僕街ですが、私はそういうのは代表では抑えて評価しています。もちろん自分が面白くないと評価しません。
僕街って中途半端だと思います。今配信が伸びてるのですが、海外向けが高いです。そこではオタク色が強いほうが受ける感じです。ドラマ性とかって日本人の心情が絡む場合も多くてグローバルなものとしては弱いと感じる部分が有ります。オタク色全開なら圧倒的なリゼロの勝ちだと見れます。
普遍性の様な面白さなら僕街の方が上だと思います。でも今来てるそういう面白さならリゼロの方が上だと思います。何に違いがあるのか?なら異世界に尽きます。普遍的には何故差が付くのか?それはエミリアのために動くすばると、雛月のためにうごく悟じゃ後者の方が圧倒的に感情移入できるからです。リゼロはこの点あまりしっかり作られていません。何故か?2クール短すぎるんですよ。小説家になろうの作品はすべて深夜アニメに向いていません。なんとか1クール内で魅力を出し切れる作品が成功してるだけで、完全に出し切ってるか?なら大半駄目でしょう。その点2クールでやっと出し切れたリゼロは及第点程度です。ストーリーの構造的には話になりません。
エミリアに対する必然を後から描く気なんでしょ…。むしろリゼロのメインヒロインはレムですよね。この点は素晴らしかったと思います。ただ何故レムが振られるのか?の部分がとても弱い。エミリアへの気持ちの部分が描写不足だから。後は全く僕街と同じですが、振られる側の描写の方が多いってのが問題になってますね。
この作品の面白さは僕街とほぼ同じです。だからこそエミリアの弱さが決定的になった部分です。レムも助けます、でもそれついでなんですよね…。確かにエミリアだけ助けるルートを選択はしません。でも、僕街の雛月に較べてレムは重要じゃないなと、むしろレムの一方的な片思いが見てて面白い部分です。
さて決定的な違いの異世界についてですが、これはあまり生きて無いです。白鯨だけですね。レムが持ってる差別されるって点は生かしてると思いますけど、異世界ファンタジーって大胆さはあまり生かされてません。主人公最強へのアンチテーゼの様に作られてるので、ファンタジーらしい突飛な力が無いです。
リゼロにとっての異世界は雰囲気だけですね。異世界作品の中では異色の個性があっても、優れたローファンタジーのループ物と較べるとあまり異世界の使い方が効果的だといえません。もし1クールで終ってしまったらレムの良い所が出し切れなかったので、僕街と争う作品になってなかったと思います。2クールを選択した人物が居るならその人の眼力が正しかったと思います。
この作品はレムを見るために見ろってぐらいレムのための作品だと思います。水瀬いのりの代表キャラはチノとレムぐらいはまっています。微妙に吼える部分はもうちょっと欲しいと思いますが、この声質ではレベル高いと思います。可愛い声の女性は吼えるための声質としてはかなりマイナスになる事が多いです。すべてが出来る声優なんて要らないです。音の高さだけで幅広く出せる声優さんが居ますが、質と言う事なら多分それは不可能です。
私はネット小説の最高点はSAOだと思っています。自分が面白いものじゃないです。自分の中の面白さならログホラが一番面白いです。私の感情の動きは弱いが、これはすごいって見れば分かります。だからリゼロを評価しようと思いました。ログホラはちと異色だと思います。その点ネット系異世界ファンタジーの最高傑作(一応SAOはVR物なので)は今の所オーバーロードだと思います。オーバーロードに較べると異世界ファンタジーがまるで生かせてないって強く感じます。それでも1回目のバッドエンドですぐに引きこまれました。雰囲気だけと低く見てますが、ストーリー的にはイマイチだが、映像作品において好みの雰囲気はものすごく重要だと高く評価しています。
2010年度のテーマはゲームだと思います。他のアニメがRPGがベースだとするとこの作品だけエロゲ…。ただこの作品今の時代の作品だと思いますよ。ストーリーがキャラを輝かせるものになってて、ゼロ年代の様なキャラありきのストーリーにはなって無いです。その点古典回帰的なキャラとストーリーの相乗効果が面白い作品だと思います。レム人気が高いほど、ああゼロ年代はもう終ったんだなと逆に思わせてくれます。SAOが2010年度代表アニメってのを素直に感じさせてくれるアニメでした。