タケ坊 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
1期観終わった時点では、正直さほど響かなかった...
☆物語☆
1期から続く京都大会以降を描いた2期。
路線としては1期から変わらずの「NHKの中学生日記」的な生々しさを持って、
部員達の抱える問題や人間関係を描いていく...
1期よりも部員同士、または家族にまで踏み込んで描かれていたのが、自分としては良かったですね。
ドロドロやシリアスな展開が好きじゃない人も居るみたいですけど、
(けいおん!好きには不評らしい?)
個人的にはもの足りないくらい笑
同年代や年齢の近い人達、部活をやってた人だと共感できる部分も多いでしょう。
個人的には1期から観てて青臭えなぁ、と思うこともありましたが。。
(2期に関してはミゾレ、ノゾミ関連)
そりゃ高校生なんてまだ子供なので、青臭くて当たり前なんですけどね。
悩みだって今だから大したことない、しょーもない事で悩んだりしてるなぁと思えるんでしょうけど。
青春しちゃってる登場人物たちに、ある意味嫉妬してる自分がいるんかもなぁ、なんて思ったり。
毎話退屈すること無く見せ場がありましたが、印象に残ってるのはやはり5話の関西大会。
あれは痺れましたね、演出的にも丸々一曲やってそのままEDへ、って流れも秀逸でした。
また、2期になってアスカとの絡みで、
主人公久美子へよりスポットを当てて描かれ、心の内をさらけ出したのが印象的でした。
☆声優☆
久美子の演技が他の如何にもアニメ声ってキャラなどと違って生々しさがあるんですよね。
一聴すると下手なだけじゃないの?と思われてもおかしくない演技やと思うんですが、
(一回思いっきり鼻声な回もありましたね。)
実によくこの物語とキャラの性格を捉えている演技、キャスティングだなぁと感じます。
そして何と言っても10話、昼休みにアスカへ思いのたけをぶつける場面、
ここでの演技がそれまでのギャップもあり、心動かされる...素晴らしかったですね。
個人的には本作で吹奏楽以外の場面では、一番の見所だったかもしれません。
脇役的なキャラでもいいので、本物の京都弁が一人くらい居ても良かったと思うんですがね。
あと1期から思ってましたが、
数少ない男子のなかで、津田さんに高校生役はなぁ...
って少しキャスティングに違和感も。
☆キャラ☆
これまであまり厄介事には深入りせず、一歩引いた傍観者的ポジションに居た久美子が、
姉やアスカとの絡みで(それまでの出来事も繋がってはいますが)終盤になって殻を破ったのが、
2期の、というかこの作品通じての全てかなと。
ずっと久美子目線のフィルターを通して描かれてきた話ですから、
アスカの果たした役割は大きかったですね。
百合っぽいキャラ設定や描写は、個人的には正直あんまり要らない要素なんですけど、
(1期はそのせいでそこまで入り込めなかった)
そもそも吹奏楽部って男が少ないでしょうから、逆にこれもリアル?なんでしょうか。。
☆作画☆
1期から変わらずの安定感と細かい所まで拘った描写には恐れ入ります。
1クールに2本も3本も作ってると、こうはいかないでしょう。
何も言うことなし。
ただキャラ全てが美男美女ばっかりのデザインすぎて...もうちょいデブい奴とか、
ブサイクなキャラが居ても良いと思うけどなぁ。
☆音楽☆
OPは1期と同じ路線で同じ人が歌ってるので当然違和感なく、歌詞も良かった。
楽曲自体はEDの方が好み。
ZAQはいつも良い曲提供しますね~ほんと。
作中のBGM、吹奏楽の場面も当然手抜きなし、拘ってますね。
自分は正直京アニ作品はここ数年あまり良い印象を持ってませんでした。
クオリティが高いものを作るのに、大人の一般人に薦められるようなものが少なく、
萌豚や腐女子、コアなアニメファンだけをターゲットとした作品が多いから。
(そりゃ商売だからそれで当然なんですが、一般人向けには今後も「聲の形」のような劇場版作品を作って欲しい)
しかしながら、(1期含む)本作は原作が小説ということで、
シリアスな人間関係を生々しく描くことで、バランスの取れた作品に仕上がったと感じます。
もちろんクオリティの高さは言わずもがな。
個人的な好き嫌いはあるとしても、やはり優れたものは客観的に評価して認めないといけませんね。