デリダ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
伝統的少女モチーフの名作
小野不由美原作のNHKアニメです。
私は小学生の頃、休日のBS11での放送で見ていました。
あまりに昔の頃のことなのでEDの曲だけが頭の中に残り気になって見返すに至りました。
小野不由美といえば屍鬼も世に送り出した人気作家ですね。
あまり周囲では十二国記を知るひとは少ないですが、名作アニメランキングなどのサイトでは
この作品を紹介するサイトは多いですね。放送枠はメジャーではないので当時リアルタイムで見て
いたひとは少ないかもしれませんが、やはり名作だけあって口コミ等で広がっていたんでしょうかね
私にとっては王ドロボウJINGやプラネテス、カードキャプターさくら、学園戦記ムリョウなどと同じ懐かしの思い出NHK枠です。
ちなみに小説の方は完結しておらず、しかも作者は全く書かず他の作品に写ってしまっているので
どうにか書いて終わらせて欲しい、、、と思います。
アニメの紹介としては異世界に突然きてしまった少女が成長していく物語です。
この話だけだと最近では使い古されてしまったようなもののようにも感じてしまいますが
むしろこの作品はこの王道モチーフを王道にまで持ち上げた作品の一つかもしれませんね。
最近ではアニメという中で登場する人間の性格というのはどうにもパターン化されて
しまったように思えてどうにも好きになれないのですが、この作品では本当にしっかりとした描写がされています。
(90年代から00年代へのアニメ業界自体の発展の過程で失われたものの一つのようにも感じてしまいます。
作画や演出の表現はどんどん進化していっても、むしろ作品が薄くなってしまっているように
感じてしまうのはこれが原因なのかもしれません。)
強いていうならラクシュンという登場人物だけは性格が微妙に聖人君主のような人間性を感じないのであれなのですが
男の皆さんはラクシュンを目指していくべきなのかもしれませんね。あんな野郎は絶対にモテるからな、、、
最初主人公は一人ですが中盤場面は突然変わり、後半は主人公が三人になります。そして最後の章では登場人物の語りを通して舞台は過去に移ります。
どちらかといえば一つの異世界という舞台を使った群像劇ですね。
特に最後の章は賛否両論のようですが、私としてはいろいろありますが良かったと思っています。
なぜこのような形になったかというとそもそも原作がいくつかの章の構成になって、
その最初が出た当初は長編シリーズ構成ではなかったものの人気になったため続編が決定した
という経緯があるようでそのため時系列込みで非常に複雑な物語構成になっています。
むしろこれをよくもアニメ50話構成でできたなと思います。
作画はこの時代、NHKだけあってものすごいクオリティです。
音楽もすごいですねOP,EDともに心に残るようないいものです。
正直最近のアニメ作品に辟易していたのでこれで見返すのは二度目ですがやっぱりアニメはいいなと思いました。
ネタバレ要素はまた後ほど更新します。