シャベール大佐 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
自然と画面の隅々まで観てしまう作品
京都の高校の吹奏楽部を舞台にした青春アニメの2期。1期が非常に面白かったので期待していた作品。
前作の感想には、全国を目指すスポ根的な要素、部活内のややギスギスした人間関係、甘酸っぱい恋愛要素、少し百合っぽい日常描写などがバランスよく含まれている、というようなことを書いたのですが、この2期ではその比率がずいぶん変化した印象。
ストーリーの展開上、葉月と緑輝の出番がだいぶ減った影響もあって、青春の初々しさや爽やかさといった部分が後退。その一方で、ちょっとシリアスな人間関係の描写が物語の大半を占めて、百合要素は健在なものの、全体的にちょっと暗くなった気がしました。話の内容自体を振り返ってみると、それほど面白いというわけでもなかったと思うのですが、1期からの積み重ねによってそれぞれのキャラの性格や背景をよく理解できていることや、作画が素晴らしくて細かい部分も丁寧に描かれていることもあって、作品への興味が減退することはなく、毎週の放送では自然と画面の隅々まで観ていました。
ただ、前作での見せ場であったトランペットのソロ奏者オーディションのような展開がなくなり、人間関係の問題も吹奏楽部でなければならない必然性は薄いような気もして、もう少し音楽要素、あるいはスポ根要素が強ければなお良かったです。
声については、久美子役の黒沢ともよというと、個人的にはいまだにアイカツの有栖川おとめ役で「らぶゆーなのです」とか言っていたイメージが強いのですが、久美子のセリフを注意して聞いていてもその面影がほぼ感じられず、声優という人たちはたいしたものだなと感心します。
1期から通して、非常に綺麗な作画と、水準以上のドラマが維持されていて、とても高品質な作品でした。こういう作品を観ると、やはり京アニには、中途半端なエロやコメディなどに走らず、これからも正統派の青春物を作ってほしいなあ、なんて勝手な願望が湧いてきます。