STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
異形が生むエロティシズム
原作は未読。
内容的にはドタバタギャグで、ギャグ要素に関しては最後までドタバタをやりきった感が
強かった。
もう一つ特徴的だったのはかなりエロティックな描写が多かったことだが、これが
モンスター娘による異形要素が生むエロティシズムが多かった感がある。初回のミーアによる
蛇の体が絡みつく描写などはまさにそれを象徴していたような。
人外ヒロインの可愛さ、エロティシズムを押し出していた作品はこれまでもあったが、
本作品は既存作品より人外度?が高いせいか、異形ゆえのエロティシズムがより強調されている
感があった。
展開的にはモンスター娘が人間社会にやってきたことゆえの異文化交流の様々が描かれるが、
これによって生じるドタバタがギャグ要素に繋がりつつ、文化の違いによる問題点などの
シリアス要素も描かれており、そういう意味ではモンスター娘自体が日本にやってきた異なった
文化を持つ者などのメタファーとも言えそう。
特に主人公である来留主 公人の家などは異文化交流の典型的場と化しているのだが、
セントレア・シアヌスとラクネラ・アラクネラのやり取りに見られたように、相手を一人の
人として捉えるために、その違いを違いとして認識する姿勢というのは異文化交流の重要な
要素のように思えた。
作品世界において法的には他種族との交流が認められているが、人間側の個人的感情はまだ
偏見が強いようで、その中では来留主の偏見のない態度はまだ珍しいみたい。それゆえに彼が
モンスター娘達から愛され、ハーレム状態になってしまうのも状況的には納得。
いずれのヒロインもなかなか魅力的であるが、後半の「Dからの脅迫状」辺りからは新たに
登場するモンスター娘の羅列になってしまい、数は増えたが個々の魅力は薄まってしまった感が
あった。この辺のくだりは展開的にも冗長な感があった。
作画や演出は傑出したものはないものの安定感があり、さりげなく入れてくるパロディも
面白かった。