「新白雪姫伝説プリーティア(TVアニメ動画)」

総合得点
64.0
感想・評価
49
棚に入れた
266
ランキング
4037
★★★★☆ 3.6 (49)
物語
3.7
作画
3.4
声優
3.7
音楽
3.7
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

佐藤順一監督の逆ハーレム変身魔法少女。コミカル→恋や家族愛のストレス少ない良作です。

カレイドスター、ARIA、たまゆら等の佐藤順一監督による変身魔法少女全13話です。
WOWOW(わうわう)の衛星放送アニメでマイナーながら、結構良作。
ヒロインが、7人の美少年(ショタ含む)たちの力を借りて変身して戦います。
恋や家族愛をテーマにしつつ、適度にコミカルかつサトジュンらしい優しい作風で、逆ハーレムながら男性的にも親しみ易いです。

美少年と合体する変身シーンがエロいのと、鳥海浩輔さん・櫻井孝宏さんの新人時代の美声も萌えどころかも。
あと石田燿子さん歌うOPがステキです。

{netabare} 『物語』
ヒロインの姫乃ちゃんが、父が大金持ちの未亡人と再婚したので豪邸暮らし、新母の娘ふたり(特に長女)は快く思わない…
という少女漫画にありそうな家庭環境の中…
7人の美少年「リーフェナイツ」から「世界の危機を救う為に伝説の戦士プリーティアとして戦ってくれ」と言われるのだった…。

姫乃ちゃんは毎回1人のリーフェナイツと合体、誰と合体するかで毎回色んな変身バリエーションが見所でした。
この変身シーンが萌える♪、後の「魔法少女まどか☆マギカ」っぽい感じの敵(魔幼虫)と戦う、ベタながら攻撃のバリエーションあり中々。

本作の特徴(特長)は、普通ならばかなりギスギスが予想される家庭環境を、とことんコミカルに流す優しい世界にあり。
学校の影口もほんの一シーンのみ。
※庶民→上流階級、ViVid Strike!だったら陰湿なイジメになってた…
まあ、姫乃ちゃんなら早々に返り討ちにしてそうだけど。

長女の繭根(まゆね)がイジワルしてくるが完全にコメディー要員、陰湿さが殆ど無いです。
執事の田中さん(声・子安武人さん)がはっちゃけまくったり、繭根がイケメンリーフェナイツを誘惑→空振りのギャグ連発したり、特に前半はあまり深刻にならずに笑える展開多い。
…恋愛面以外の対人関係でのストレスがほぼ無い、優しい作風なのは観易くて良い。


6話を経て7話以降から、シリアスな展開に。
話の軸が、敵ボスの災妃も含めて、姫乃と美少年2人(+真綿ちゃん)の悲劇的な恋のすれ違いや疎外感による絶望が絡み合い、恋と家族愛のドラマに…
前半のコミカル路線でも、次女の真綿(まわた)ちゃんの孤独感を丁寧に描きつつ、8話で姫乃と交流の後
「一人なら自分も他人も傷つかない」
寡黙だった彼女の疎外感や孤独感が次第に噴出してくる後半、災妃の悲恋の絶望感も合わせた展開が見応えありました。

…良く見ると三角関係や修羅場なんですが。
あんまりドロドロ感が無い感じ。
敵ボスの災妃も悲劇的ヒロインな感じで、世界を滅ぼすフェンリルの大樹も自然災害的で、本作にはあまり悪意を感じないないのも「優しい世界」な印象でした。
これは良し悪しで、悪く見るとドラマとしては甘いんですが、ストレスフリーかつ適度に悲劇的ドラマチック。

終盤、再婚同士の家族の絆がクローズアップ。
怒涛の展開でハラハラドキドキ、恋や家族愛で紆余曲折しつつも王道な熱さで希望に変換していく。
イジワルだった姉の繭根も含めて、家族の結束が絶望を打ち破る!
熱いです。
…ただ、前半とことんコメディーで、真剣に家族の葛藤描かれているワケではないので、家族ドラマはベタだが良いかな~、な感じ。
ここは良し悪しで、前半真剣に描いていたら作風が湿っぽくなって楽しさ半減していたかも…。
また、作風の優しさ甘さ…(意地が悪い見方ですが、タカコと真綿ちゃんの悲劇って、別に世界を滅ぼすレベルではないだろ…と思ってしまう、私は無粋なのかな…)

最終回、見事に白雪姫要素も回収、文句なしの結末で後味も良し♪


総じて
流石はサトジュン、作風か優しいなぁ~。
真綿ちゃんの絶望の種や、リーフェナイツとプリーティアの恋の悲劇など伏線もよく練られている、かつ全般的にはコミカル路線でストレス少な目。
後半悲劇的か!?と思わせつつ、終始ポジティブな良作でした。
変身美少女&美少年の萌えもバッチリ、久々に観ましたが面白かったです。
…物語評価は4.5か迷うところ。

※余談
「魔法少女育成計画」とのコラボ動画観て、無性に本作が懐かしくなりました。
スノーホワイトちゃんも白雪姫ですな。(髪の色も似てる)


『作画』
2001年度、絵柄や作画は古さありますが、キャラデザは十分に良いです。
姫乃ちゃん真綿ちゃんは好み、かわいい。
美少年勢のイケメン度は近年のアニメに負けてないのでは。
見所の変身シーンが絶妙にエロい♪
戦闘は止め絵多いものの、十分に熱いです。
コメディー調の崩しも作風に合っている。


『声優』
姫乃役の吉田小百合さんは本作以外に主演少ないですが、元気一杯な姫乃ちゃん良かった。
真綿ちゃんの神田朱未さん、敵ボスの堀江由衣さん、ミーハー親友の田村ゆかりさん等々女性陣が良いです。

注目は主要美少年のふたり、颯(はやて)の鳥海浩輔さんと、細(ささめ)の櫻井孝宏さん。
特に櫻井さんの儚げな美声は絶品、これは櫻井孝宏さんファンならば抑えとく価値はあるかと。
この美声でラジオパーソナリティーで手紙読み上げられら、真綿ちゃんが惚れるのも納得w

矢島晶子さんと福圓美里さんのショタ演技も良かった。福圓美里さんは本作の初(はじめ)が2番目の出演作、幼児かわいい。
もう1人の幼児・新(あらた)の仲西環さんは出演作少ないですが…ファフナーの皆城乙姫ちゃんの人でした。

子安武人さんが、珍しく完全コミカル寄りなキャラ。
あまり子安さんらしく感じさせない、でも面白い。


『音楽』
OP主題歌「White Destiny」がかなり良曲。主題もメロディーも素晴らしい上に、8話と最終話で挿入歌として流れる2番も非常に良かった。
この他挿入歌多く、楽曲面で良作です。


『キャラ』
ヒロインの姫乃ちゃんは元気系で、複雑な家庭環境によるネガティブさ一切感じさせない一方で、思いやりと優しさも持っている良ヒロインでした。
逆ハーレム感はあまり無く、繊細な少女らしい悩みと健気な強さのバランス良かった。

もう1人のヒロインといえる真綿ちゃん可愛い。無口無感情系、実は寂しくて愛に飢えていた…
年頃の女の子らしいアイディンティティーの葛藤がいじらしく映ったです。
ヒロイン度は彼女が一番。

美少年その1の颯(はやて)、ビジュアル(と声)はバジリスクの甲賀弦之介っぽい。
不器用なイケメン、次第に深まる姫乃とのラブコメ良かった。

美少年その2の細(ささめ)、優しいが陰のあるイケメン枠。
愛の騎士を貫いた男、うーむ、罪作りな男だ…。

その他、ショタ3人が可愛かったり。

父と新母がラブラブだったり、長女がコメディー要員、良くも悪くも作風明るくしていた。
父は終盤の家族の大黒柱としての器の大きさカッコイイ。
田中さんの存在感w


災妃はムリして偽悪的に振舞っていた印象、彼女自身も悲劇のヒロインなので、本作には全然悪人がいない。
ヤンデレ…に、なりきれなかった優しい女性なんですかねぇ。{/netabare}

投稿 : 2016/12/30
閲覧 : 512
サンキュー:

15

新白雪姫伝説プリーティアのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
新白雪姫伝説プリーティアのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

どらむろが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ