Dkn さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ジュブナイル映画の傑作
“新海誠の描く世界は残酷である”
人生で一度しかない格別の出会いがある
一度だって経験したくない別れがある
世界は煌めいてなによりも美しく
世界は昏く冷たく無機質なもので・・
新海作品を見るたびに、その美しさと残酷さに何度も打ちひしがれてきました。劇場で見た素直な感想ですけど、私はこの映画では泣きませんでした。人生の映画BESTがあったとして恐らく入ることはありません。
背景美術と演出の細やかさを、脚本との対比で印象的に描写することで沢山の人を魅了してきた新海映画は、いい意味でも悪い意味でもブレること無く、ファンタジーだろうがSFだろうが新海誠で。美しいですが排他的な印象を受けます。
ですが、この映画を見た時に
他の新海誠作品をとても好きになりました。
{netabare}
二転三転するストーリーの中において背景美術の有用性。そして調和による相乗効果に度肝を抜かれました。そこにあったのは、ただ綺麗な背景では無く、キャラクターが網膜に写した鮮烈なシーンや、暖かく郷愁を感じる大事な思い出。そして冷たく色を失った自身が暮らす日常の風景。1つのカット毎に、まるで表情をつけているような錯覚に陥ります。
これが新海誠の見ている世界だったのか、と・・衝撃でした。
{/netabare}
ジュブナイル、ティーン向け、青春映画と・・
様々な言い方をされるジャンル。万人が面白いと
思うものなんてありませんし、信じていません。
私自身が排他的な人間なのです。
それでも、私が見た映像は
星が過ぎ去る一瞬のごとき短く儚い青春。
彼らは確かに画面の中で“生きて”いました。
これを最大の賛辞とし、「君の名は。」
このジュブナイル映画の素晴らしさを謳います。