Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「勝ったな、ガハハ」
この作品の原作は未読ですが、千本木さんや本渡さんが出演されること…そしてガールフレンド(仮)、天体のメソッドやレガリア The Three Sacred Starsのキャラデザを手掛けられたQP:flapperさんという事もあり注目していた作品でした。
この作品が声優をテーマにしている事は知っていました。
声優をテーマにした作品といえば2015年の夏アニメで「それが声優! 」が放送されたのは記憶に新しいです。
声優として成長したい…きっと誰もが胸に秘めている思いだと思います。
でもそれを形にできるのはほんの一握りの人だけ…
だから与えられた役を全力で演じてしがみ付く…
そんな過酷な世界を描いた作品でした。
一生懸命頑張るという王道だと完全な2番煎じになってしまうので、どんな物語かと期待をしていたら、きっといい意味で裏切られたんだと思います、
この物語の主人公は、「ちーさま」こと烏丸千歳…声優になったばかりの新人なんですが、回ってくる役はモブばかり…
普通に考えると役が回って来るだけでも凄い事なんですけどね。
なにせちーさまは、努力嫌い、ファンサービスは不十分、でもちやほやされたいと、一体何様のつもりなのか…と思えるほど中身が黒いんです。
もうかわいい外見とは大違いです…
でもそんなちーさまにもツキが回ってきました。ラノベ原作アニメのメインヒロイン役が飛び込んできたんです。
そしてサブヒロインを演じる2人の女の子との声優ユニット結成の企画が持ち上がるなどとんとん拍子で物事が動き出すのです。
こうしてラノベ原作アニメ…通称クースレの制作と共に物語が動いていきます。
これまでの冴えない声優人生はこれでお終い…これからはバラ色の声優人生を歩んでいくんだ…
正直浮かれすぎだと思いました。
そして本人も分かっていたと思います…何もしない事が…努力をしないと結果がついてこない事が…
アフレコの現場でちーさまが目にしたのは、みんなの落胆した顔だったんです。
能天気なちーさまもさすがにこれは堪えました…
そして出した答えはその場を取り繕うための急場凌ぎ…
確かに目先の事だけ考えれば間違っているとは言えません。
芸の道ってこんなんじゃないよね…と思ったのも事実です。
でもこれって本人が気付いて自分から何とかしようと思わない限りどうしようもない事だと思います。
周りがいくら言っても本人が理解していなければ言うだけ無駄ですから…
それに回りだってちーさまは友達ですが、同時にライバルでもあるんです。
人の事ばかり気にしている時間も余裕も無いのが新人声優…いえ、ものづくりを生業にする全ての人に共通して言える事だと思います。
だからちーさまはいつ気付くのかな…と思いながら見ていました。
見ていてターニングポイントは幾つかあったと思います。
でもそのチャンスを生かすも殺すも自分自身…
ファンはきっと自分が考えている以上に自分を見ています。
そして努力は結果として…目に見える差として突きつけられる事になるのです。
ちーさまは自分の危機的状況にいつ気付くのか…気になる方は、本編で是非ご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、kohalunaの「決意のダイヤ」と、「Bloom」
エンディングテーマは、「今は短し夢見よ乙女」
「Bloom」と「今は短し夢見よ乙女」はガーリッシュ ナンバーが歌っています。
ちーさまの性格は…でしたが、歌は恰好良いと思います。
「決意のダイヤ」は1話の特別オープニングでしたが、聞いた瞬間これからを期待せずにはいられない程の好印象でした。
1クール全12話の物語でした。ちーさまの性格は…でしたが、それでも完走できたのはキャラデザが抜群だったからだと思います。何だかんだいってちーさま可愛かったですから。
原作はまだ続いているようです。
きっとちーさまもずっとこんな感じじゃないんだと思います。
ちーさまの化けた姿…気になります。
もし続編が放送されるなら是非視聴したいと思います。