ヌンサ さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
こりゃすげぇ!
アニメ界における3DCG、特にセルルックのCG技術の発展は目覚ましい限りです。
この作品は、そのひとつの頂点と言ってもいいくらいのハイクオリティでした。
ほとんどCGに見えません。セル画で描かれていると見間違えるほどの完成度を、
こんなに短い発展スパンで見ることができたなんて驚くばかりです。記号的(マンガ的)表情の変化も違和感なくキャラクターの顔に馴染んでいて、称賛するための語彙力を失うくらい感動しました。
最近は、「シドニアの騎士」や「亜人」を制作したポリゴン・ピクチュアズがすごいと個人的には毎回レビューで語っていました。しかし、今作を担当したグラフィニカという会社もすごいですね。
大好きなGONZOから派生した会社のようです。これからの活躍が俄然楽しみになってきました。両社が(もちろん他の会社も含めて)高め合うことによって、CGアニメ界の未来は明るそうですね。
アンジェラ・バルザックのカワイさは、未見にもかかわらず公開当時から非常に気になっていました。未見のままfigmaを買いそうになったくらいでした。今回視聴したことによって、もちろん購入することになるでしょう。
実は、釘宮理恵さんの声はそこまで得意ではありません。しかし、今作では思っていたよりも低い声による演技が多くて非常に耳に心地良かったです。
神谷浩史さんによるフロンティアセッターの演技も、「感情を殺して演技をする」という声優泣かせな要求に見事に応えた素晴らしいものになっています。この演技を長時間続けるというのは非常に難しいのではないでしょうか、さすがです。フロンティアセッターそのもののキャラクターも、帽子を被ったりギターを背負ったりと愛嬌抜群でカワイかったです。
もちろん三木眞一郎さんの演技も最高でした。あと「シドニアの騎士」に田中敦子さんがまあまあの脇役で出演している点は個人的に燃えた(萌えた)部分なのですが、今作では林原めぐみさん・高山みなみさん・三石琴乃さんが結構な脇役で出演している点に萌えました、なんてこった。
この作品は全体を通して主要キャラクターの長台詞が多かったのですが、実力派声優ばかりだったので耳が幸せでした。
上記のように台詞が多い点からも、攻殻機動隊などのSF作品が大好きな身としてはたまりませんでした。
"人間とは何か"などのSFではおなじみの問答も、脚本の虚淵玄さんが上手く言葉を選んでキャラクターにしゃべらせているので非常に興味深かったです。
戦闘シーンのカメラワークがめっちゃすごくて「マクロスプラス」みたいだなと思っていたら、
モーションアドバイザーが板野一郎さんでした。
大好きなNARASAKIさんによる、ギターが多くフィーチャーされたBGMも最高でした。
{netabare}最後にフロンティアセッターが宇宙に旅立ったくだりは、ボイジャー探査機のレコード的なロマンを感じざるをえません。{/netabare}