シャベール大佐 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
スケートシーン自体をどれだけ楽しめるかで評価が変わりそう
フィギュアスケートを題材にした、BL風味の強いスポーツ物。
最初に1話を観たときは、ストーリーのテンポが良くて、スケートシーンも非常にクオリティが高く、コメディシーンも普通に笑えて、これは素晴らしい作品のスタートだと思いましたが、観続けていくうちに徐々に興奮は薄れていき、最後はまあまあ程度の面白さといった感想に落ち着きました。
そうなった理由を考えると、作品後半でグランプリシリーズが始まってからの、大会での各選手の演技シーンと、それ以外の日常パートの描き方の配分の問題だったような気がします。この作品では、主人公や主要ライバル以外の選手の演技も省略せずに丁寧に描いており、それぞれに個性があってそれなりに見応えもあるのですが、それが何話も繰り返されるとやはり少し飽きてきます。また、その一方で試合以外の部分を描く分量は少なくなって、主人公を中心にしたドラマとしては深みに欠けてしまったように感じました。
フィギュアスケートは試合でも相手と直接戦うのではなく、一人一人の選手のそれぞれの演技を鑑賞して採点するわけで、形式としては、普通のスポ根作品での試合よりも、むしろ音楽やアイドルを題材にした作品でのコンクールや大会などに似た部分があるので、楽しみ方としてもそちらに近い感覚が必要かもしれません。これだけ作品の中に占める演技シーンの比重が高いとなると、そのパフォーマンス自体が好きで、いくつ観ても、何度観ても楽しめるという人と、そうでない人とでは、やはり全然感想が違ってくるような気はします。
作画はとても綺麗。スケートシーンの出来が良いのはもちろんですが、通常パートの絵も綺麗で、世界のいろいろな街の風景なども楽しめました。ただ、一部の選手の演技シーンでは体型が少し細すぎるようにも感じました。
全体的にクオリティの高い作品でしたが、フィギュアスケートという競技自体にそれほど思い入れのない男性視聴者という立場からすると、これが女子フィギュアを描いた作品だったなら、たくさんあった演技シーンももっと楽しめたのかなとか思ってしまいました。