「終末のイゼッタ(TVアニメ動画)」

総合得点
74.9
感想・評価
798
棚に入れた
3916
ランキング
861
★★★★☆ 3.6 (798)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

ヤマザキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

名作の可能性を「佳作」にとどめてしまったストレートなストーリー展開と、それをごまかすような百合とサービス過剰

今季期待度No.1作品・・・でした。
期待した理由は3つ。一つはアニメオリジナルでストーリー展開が全く読めなかったこと。二つ目は第2次世界大戦を舞台としているもので壮大な展開が期待できたこと。三つ目はキャラクターデザインが『結城友奈は勇者である』『ソードアート・オンライン』のBUNBUN氏であること(この人のキャラデザは現時点で一番好きかもしれません)。
最終回を観終えた今、この3つの期待を思い返すと、概ねのところそれに応えてくれた、とは思います。「次回はどうなるんだろう?」という期待は毎回の放送終了後には生まれていましたし、壮大なストーリーでしたし、キャラも期待通り可愛らしかった。ただ、「超展開」と呼べるようなどんでん返しは無かったですね。今にして思えば「こんなストーリーになるんじゃないかな?」と思った展開がそのまま続いていった、そんな感じです。結果、本作品は「名作の予感」がしつつも、「佳作」止まり、せいぜい「良作」だったかなという、そんなところでしょうか?

さらに「がっかり」だったのは、やたらとお色気シーンと、それからイゼッタとフィーネの百合描写が多かったこと。もしかすると、ストーリー展開の足らない部分を補完する目的だったのかもしれませんが・・・。本作のキャラクターは必然性もないのに脱がされてばかりで、しかもそれがやや過多に感じられたため、本作の深刻なストーリーの足をむしろ引っ張ってしまったように思います。また、百合っぽい展開に関しては、どうして単なる女性同士の友情物語にできなかったかなぁと、やはり不要な描写のために感動すべきところで感動できなかったようにも思いました。

とはいえ、当初の期待には応えてくれたわけですから悪いところばかりではありません。よかった点もちゃんと述べましょう。

{netabare}(1)善人が次々と、そして淡々と殺されていく展開は、戦争の無慈悲さをよく伝えておりました。また、最終回でジークがいまわの際でかつて自分で始末してしまったヨナス一等兵の顔を思い浮かべるところは、ここまで冷静に物事に対処して人間味を感じ辛かったジークの人間性が垣間見えるようでよかったです。
(2)同じく最終回のフィーネの演説、よかったです。感動しました。また、同時刻に行われていたイゼッタとゾフィーの死闘もスケールが大きくてよかった。それぞれがそれぞれの役割を果たして闘っている姿は感動的でした。
(3)第2次世界大戦の兵器類をしっかりそのまま再現しているところ。この手の知識に詳しい方で不満のある方もいらっしゃるかと思いますが、私のようなプチ・ミリオタであれば十分満足でした。
(4)一番良かった回は意外なところで、イゼッタが魔法の力を使わないでエルンシュタットがゲルマニアに勝利したところでした。こういう回ではサブキャラの魅力が生きますね。{/netabare}

総じて思うに、1クールでは足りなかったとは思いませんが、やはりもう一ひねり欲しかったなぁというところです。「キャラクター」「歴史舞台」といった素材のよさを生かし切れなかった、ちょっと残念な作品でした。

投稿 : 2016/12/23
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サンキュー:

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