蒼い✨️ さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
オタク・イズ・ビューティフル?
アニメーション制作:ガイナックス
1991年9月 - 12月に発売された全2話のOVA。
【概要】
1982年。『宇宙戦艦ヤマト』の影響が色濃く残り、『機動戦士ガンダム』『超時空要塞マクロス』『うる星やつら』
などが持て囃されていた時代。
主人公である普通のスポーツマン大学生が、
いかにもオタクなメガネで太った友人の影響でオタクに転んでいくストーリー。
脚本を書いた山賀博之(ガイナックスの創立メンバーの一人で、現社長)が、
当時のアニメを観て仲間内で語り合った生の感想が作中に盛り込まれています。
80年代に話題になったアニメ作品の数々が実名かつ、作中にて実際に映像が登場しています。
そして、1985年から後が描かれた後編では、
大学を卒業後に起業してオタク産業の頂点に上り詰めるという、
年代記風の荒唐無稽なサクセスストーリーへと続いていきます。
この作品の特徴としてドキュメンタリーを模した実写パートを合間合間に挟んでいて、
アニメ作品でありながらもアニメパートは半分程度しかありません。
【感想】
1988年-1989年に起きた、“幼女連続誘拐殺人事件”
犯人がロリコンのアニメオタクとされ、マスコミの連日の報道によるオタクバッシングが差別と偏見の温床となり、
オタク=犯罪者予備軍みたいな空気が作り出され、
オタクということで親からアニメ雑誌を捨てられたり、学校でいじめの標的にされることが珍しくもなかった時代。
このままではいかんと、オタクの実態の認知と地位回復を目標に作られた作品らしいです。
作中でオタクグッズを開発して売れば全部メガヒットになるなど、
ストーリーも安直でキャラに深みもない平凡なアニメですが、
上述の実写パートが作品の個性になってるような?
ドキュメンタリーもどきとしても、
オタクの情熱と気持ち悪い部分を両方さらけ出してるものの中途半端。
自信を持って『オタク、サイコー!!』て言える人じゃないと共感を得られないアニメかもしれません。
まあ、オタクに偏見を持っている人間に見せて問題提起が出来ればそれで良いのかもしれませんが。
アメリカでオタク文化の布教に貢献したらしく、
そういう意味では意義のある作品かもしれませんが、
最終話まで観ても私には特に印象に残らなかったです。
ラストシーンが有名作品のパロディかつ破天荒でガイナックスらしかったですが!
短いですが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。