フローズン さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
言葉にできない余韻がある
・原作未読
・ツイッターでフォローしている方々が非常におすすめしており、どうしても見に行きたくなり見てきました 恐るべき口コミの力・・
・エンターテイメント性はそこまで高くなく、テンションの高低さもあまりないまったりとした映画(テンポは割りと速いが気づかされない)
・しかしその分見ているこちら側に刻み付けてくる力はかなり大きく、言葉にできない余韻がある
・広島・呉を舞台とし、昭和初期~終戦までを描いた今作は戦争映画といえば戦争映画であるが、大事なのはそこで暮らして生活を送っている、力を持たない市井の人々
・主人公すずは、ぼんやりとしていて感情を大きく表現しないし、全体の雰囲気も優しいのでこちらまでぼーっとしてしまいそうだが、それでも随所にごまかせない「エグさ」を見て取れてしまう
・戦争はよくないとか、庶民は悲惨だ、とかそんなのはすでに当たり前の話として「じゃあどうするのか」「この状況をどう思う」と受け手に淡々とパスを渡してくる感覚だった
・当然、登場人物は死ぬし、不幸になる。しかし悲惨さを『火垂るの墓』のようにくっきりと浮き彫りにさせない分、感情の落としどころを自分で見つけなくてはならない
・玉音放送の後、北条のお母さんが「明日も明後日もあるんだから」とお米を全て出し切らないシーンで、自分はかなり勇気付けられました。当たり前のことだけど、そういうことなんだと
・作画は、原作を大事にしている分独特だが、すぐになれる
・背景も写実的ではないが、かなり綺麗。枚数も相当ある
・ぎょっとしてしまうような場面でもこの雰囲気のおかげで衝撃が和らいでいるのは、アニメならではだと思うし、嫌な「気」を感じない
・すずのにへら顔はタイミングによってはたまに狂気を感じるときもあったが(笑)
・主演声優の のん もキャラにマッチした声質と演技でかなりよかった
癒し成分高いです 関係ないけどクレジットで堂々と「 の ん 」って表示されるのちょっとウケますよね
・またこれ男性と女性によっても見る視点、感情移入の仕方が絶対違うので、自分の想像し得ない感銘を受けられている方ともぜひ話をしてみたくなります
・悲しいような前向きになるようなへこむような、ズドンとくるようなふわっとしている様なつかみどころがないっちゃない作品だけど見てよかったです