harass さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
逆をいくアニメ
今の深夜アニメで主流の日常モノ・萌えアニメ・美少女動物園とは真逆の作風だ。魔法少女まどか☆マギカをリスペクトした、魔法少女がムゴイことになるギャップを狙った作品と一見考えるかもしれないが、どちらかというと、仮面ライダー龍騎や、山田風太郎『甲賀忍法帖』(バジリスク原作)に近い。
今回アニメ化は多数ある原作のうち、一番最初の通称無印の一冊と、登場するキャラの日常などの短編集二冊からで構成されている。
無印は280ページを16人のキャラを動かしている。非常にスピーディーな展開で無常感さえ漂う印象がある。140ページぐらいで3人目の脱落者がラピュセルというペースだ。なんせフラグや回想も無くいきなり死んで、死に際の言葉さえもない。ラ・ピュセル対クラムベリーのシーンは一行もない。とんでもなくドライなのだ。だが、12話のアニメにするには、一巻だけでは分量が足りないので短編集やアニオリを入れる必要があるのだが、原作ファンには印象がかなり変わってきてしまう。死ぬ前のキャラの回想ばかりになるので、次の予想がついてしまう…… メディアの違いを理解せよという名言を思い出す……
この原作者が得意とするのは、魅力的なキャラと能力を次々に出して、知略を駆使することで、惜しげもなくそんなキャラを無残だが気高い死に追いやるのだ。
あと、この第一作よりも、続編のRestartのほうが傑作でそちらがアニメ化されることを願っている。正直いろいろ粗があるのがこの一作目だ。このアニメは今後のシリーズで活躍するスノーホワイトの過去話なのだ。何もできないままのスノーホワイトが「魔法少女狩り」として恐れられる伝説の始まりなのだ。