明日は明日の風 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
珍しいスケートアニメ、が、とんでもないアニメだった…動きで感動し、内容で熱くなるスポーツアニメの良作
一時期、アニメファンの間で名を馳せた「カツドゥーン」こと「カツ丼」。しかし、今度は「カツ丼」という正式な名前で名を馳せることになった。なんでも聖地では店によってカツ丼の売上が10倍になったとか…恐るべし、アニメ「聖地巡礼」{2016流行語ベストテンのひとつ}。
さて、このアニメ、フィギュアスケートが描かれています。しかも女子ではなく男子で。大変な冒険だと思いましたが大成功だったようですね。フィギュアスケートの動きをアニメでできるのか?と思ったのですがとんでもない。止め絵やスローでごまかすのではなく、しっかりと回転させ、スピンをし、ステップさせ、表現まで付けました。これだけでも凄いのに、内容も熱くて男子フィギュアスケートの魅力を伝えられたのではないかと思います。
BLっぽいが、あくまでBL風。主人公の勇利が普段はイケメンではないので(滑っているときは別人)、BLを強く感じないんですね。なので、BLと思って敬遠している人はもったいないと思いました。でもね {netabare}指輪を交換したり、キスするんじゃないかという見せ方はきついかも{/netabare}。
ストーリーはいたってスポーツものの王道。GPファイナルで失敗した主人公の勇利が、世界ナンバーワンスケーター、ヴィクトルに師事され、もがき、悩み、がんばりながらライバル(特にもう一人のユーリ)たちとともに戦い、成長する物語です。勇利にかかわる人々、特に地元の人々の個性が強くて、どたばたな日々を送りながらも勇利たちを温かく見守るところが良いです。
ライバルたちも個性派ぞろい。個人的には自信家だけどファイナルで魔物に飲まれて人間らしさをだしたJJ、勇利の友達で日本人的な雰囲気をかもし出すタイのピチットがお気に入りです。
それと、話的には11話から12話の流れが本当に面白かったです。やっぱりGPファイナルの話ですから、最高に盛り上がって終わる、スポーツアニメの醍醐味みたいなものです。
あまり期待していなかった分、逆にどんどんはまって最後はこれはすごいと感じるようになった作品でした。スポーツアニメ大好きな人には絶対にお勧めできる良作です。