oxPGx85958 さんの感想・評価
2.8
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ライトノベル的なものの限界
第1話での導入を含めて、最初の「事件」が描かれる数話はとても引き込まれるものでした。作画、演技、演出など、多くの面で一級品のアニメだと感じたし、その印象は最後まで変わりませんでした。
問題は、語られる物語がライトノベル的に幼稚であったということ。それは高校生を主人公としていることの限界であるし、たぶん原作の作者自身の限界でもあるのでしょう。主人公たちに起こる事件は、たいてい本人とその友人たちの間で解決されますが、1回、物語が「大人」を巻き込んだときの解決がご都合主義的なものだったときに、作者の視点の限界を感じました。
そもそも事件に巻き込まれる主人公たちの行動が、もっぱらストーリーを展開させるための予定調和でした。個々のキャラクターが本物の人間として考え、行動し、解決に向かっていったという感じがあんまりしない。謎の存在が仕掛けてくるトリックに対して、望まれる結末に向けて動いていっている、という感じがします。
この物語と人物造形の薄っぺらさは、いままで見てきた、ライトノベルを原作とするアニメの多くに共通するものです。部外者の目から見て、日本のアニメの優れた人材が、こんな素材に使われているのはもったいないと感じます。そうならざるをえない事情はわかるのですが。