ポッチャマン さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
1期と最後とこれの最後でかなり印象が変わる作品
多様なメディアミックスを果たしたPCゲーム原作のアニメ化作品。(私は未プレイ)
アニメでは珍しく、並行的に複数の世界を見せていくパラレルワールドを取り入れた作品で、当時は話題性があったらしいです。
他の人のレビューを見てもらってもわかるとおり、この作品は非常に残虐な表現があることは僕も予めわかって観ているので、少し覚悟がいるかもしれないです。ただ、テーマは別のところにあるので、慣れてしまうのが吉。
ここから、視聴中の私的メモです。(メモなので、少し事実と違うかもです)もろにネタバレなので、全体を知りたくない人は飛ばして下さい!{netabare}
【第1期】【第2期】(全50話)
①〜⑥ ⑦~⑨←少しキャラデザ変わる
登場人物は主要キャラが、前原圭一、竜宮レナ、園崎魅音、北条沙都子、古手梨花の小中学生5人。ときおり、富竹さん、鷹野さん、入江先生、大石刑事も登場し、各編にしか登場しないキャラとして、悟史、詩音、羽入がいる。
綿流しの日に富竹と梨花が死ぬのは①~⑧共通
〜出題編~
主人公は語りも含め、全て圭一。
どれも陰鬱な雰囲気で、終始謎めいた終わり方をする。
①鬼隠し編(1~4 全4話)
主にレナと魅音が狂気に取り憑かれている。
レナの扉ガンガンや針の入ったおはぎは最初のトラウマになりやすい。
圭一はみんなの言う“オヤシロ様の祟り”に疑心暗鬼になる。
圭一がレナと魅音を殺し、圭一も自殺。
→この話は後に回答編で、圭一の妄想と幻覚によるものとわかる。つまりレナと魅音は白。
②綿流し編(5~8 全4話)
主に魅音or詩音が狂気。
梨花と沙都子は魅音に殺される。
最後は圭一も詩音も魅音に殺される。
回答は全て、目明し編に続く。
③祟殺し編(9~13 全5話)
主に圭一が狂気。入江先生初登場。
圭一は沙都子の虐待を入江から知り、祭りの夜に沙都子の叔父、鉄也を殺すが、みんなは圭一が祭りに来ていたと言い、この矛盾に錯乱。
最後は梨花の死体を見て、沙都子が発狂し、圭一を突き落とす。大石は機嫌の悪い描かれ方。最後は状況不明の大災害が起き、雛見沢滅亡。
④暇潰し編(14、15 全2話)
圭一とレナがいない前日譚。
赤坂刑事が主人公。魅音の婆であるお魎初登場。
梨花の謎が深まる。梨花は赤坂に妻が危ないと告げる。
→ここから梨花がキーパーソンに。
~解答編~
⑤目明し編(16〜21 全6話)
綿流し編とは違う設定だが、間接的な解答編になっている。
物語は全て魅音と入れ替わった詩音の目線。狂気は詩音のみ。
全ては《悟史くんのため》
後半は綿流し編とリンクしてくる。
16、17話で、悟史と出会い、惚れる。
爪はがし→北条家と関わった責任「けじめ」
オヤシロ様の祟りと悟史失踪の原因を一緒にしてしまう。本人は悟史が失踪した原因は婆と魅音にあると思い込む。
→婆と村長を殺し、魅音を監禁。
梨花は詩音に応戦するが、自殺。
沙都子は残虐に刺殺する。(ここが一番グロイ)
沙都子を守るように悟史に言われたことを思い出し、発狂。最後は綿流し編と同じく、圭一を殺して、マンションから墜死エンド。
⑥罪滅し編(22〜 26 全5話)
主にレナが狂気。
レナは父を騙そうとした詐欺師の女と沙都子の叔父を一緒に殺す。その後、鷹野の研究を追って後に圭一も一緒に調べていく。が、怪しい男たちに追いかけ回され、鬼隠し編の圭一と同様、被害妄想に取りつかれる。その後レナは学校に立てこもる。
圭一が説得し、終わりは唯一救いがあるように感じる。
今までとの最大の違いは、圭一が鬼隠し編や祟殺し編など、違う世界でしたことを思い出したこと。
第2期
2期からは梨花が観測者となって、羽入と共に自分が殺されず、みんなが悲しまない世界を追う話になっていく。(梨花と沙都子は鷹野の研究材料にされるために命を狙われている。)
※2期1話は、赤坂と大石たちの未来での話。
鷹野は34号文書というものを残しているらしい。
⑦厄醒し編(2〜5 全4話)
アニメオリジナルストーリー。
主人公は主に梨花。梨花だけはは終始暗い。
梨花宅で沙都子が梨花に言った一言
『悩みがあるなら一人で抱え込まずにまず相談する』←罪滅ぼし編での圭一のセリフ
梨花が羽入と夜に一人語りをする場面が多い。沙都子は怪しい男たちに不安を感じる。大石も梨花たちを見守る。しかし大災害が起き、梨花が殺される。沙都子は昏睡状態で、大石は問い詰めるが、沙都子が死に、終わる。
⑧皆殺し編(6〜13 全8話)
主人公&案内役は梨花と羽入。
綿流し編でのゲーム大会と同じ場面で、梨花が圭一に話すと、カルタは黒ひげになり、レナにあげたはずの人形を梨花が何もせずに、圭一は魅音に渡す。他にも、圭一とレナは、鬼隠し編や罪滅ぼし編でしたことを夢として鮮明に覚えていた。梨花は少しずつ期待していくが、後に自分がストーリーに関わらないとダメだと気づく。この世界では、祟り殺し編と同様に、沙都子が叔父に虐待、監禁されているため、これをみんなで救う話が展開される。最終的に、救った後に、鷹野の襲撃に会い、あと一歩のところで全滅エンド。
⑨祭囃し編(14〜24 全11話)
いきなり、鷹野の過去から始まる。辛い過去を経て、周囲に自分の存在価値を、雛見沢感染症の研究で認めさせる為に、武装する。これにより鷹野が黒幕であることが強調される。
全体を通し、今までのメンバーが総出演している。
ここでの魅音の婆であるお魎の言葉で、外から来たひとを迎えることを”換気”と例え、必要なことと語っているため、私はここで、今までと確実に違う世界なんだと気づきました。
梨花はすでに死んだことにし、作戦をきる。
最終的に鷹野たちに勝ち、世界線を変えついにハッピーエンド。 {/netabare}
【感想】
上記のとおり、2期の後半以前は、どれもほぼバッドエンドです。
私は最初、出題編で出した謎をシュタゲみたく全て回答編で回収するのかと思いこんでましたが、違ったみたいです。まったく別の世界を見せていく手法はあくまでパラレルワールドなだけで、直接登場人物が別の世界に干渉することはないです。
厄醒まし編まではところどころに、狂気を表す演出が凄く多いです。たぶん、評判が悪いように言われるのもこのせいだと思います。でも、この謎を残すやり方と、過激な表現にもおそらく理由があると思います。
要は、1期に残虐で陰鬱な世界観を描写してインパクトを与え、対して日常の描写をギャグ絵みたいにデフォルメすることで、ギャップをつける。そうやって初めに緩急をつけると、解である2期は敵を倒すような燃える展開に愛着?が持ちやすくなるんじゃないかなと勝手に思ってます。
だからこそ、1期のキャラクターデザインは2期ほど可愛らしくない感じでいいのかもしれません(笑){netabare}
もうひとつ、解(2期)では梨花が、時間ものとして必要な"観測者"のポジションに立っていて、この設定で、全体を通して圭一目線から梨花目線にシフトしていっているのもうまい演出だと思います。{/netabare}
テーマはほかの方も言われているとおり、「仲間を信じること」ですね。1期で起きたことの唯一の解決法に気づくまでの物語です。後半では特に強調されてますし。
これを伝える表現としてはやや奇抜で邪道かもしれません。でも私は観た者として偏見を持たれたくないので、興味がわいたら一度見ることを勧めます。最後まで見れば損ではない名作だと思います。