101匹足利尊氏 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
2000年代屈指の能力バトルアニメ
比較的スロースタートだった一期目から一転、
初っ端から色んな意味でフルスイングでぶち抜いて来た『なのは』二期。
個人的には全力全開なバトルシーンの熱さがとても印象的な作品です。
作画に★星4.5点付けた私の評価は過大かもしれません。
実際、人物造形やその一貫性に関しては、
2005年当時の水準から見ても、平均をやや下回るくらいだったと思います。
本作が優秀だと思うのは視聴者が熱くなれるバトル作画構図の設計。
見る者が興奮するライバルキャラ同士のバトル絵とは何か。
その追及度が半端じゃないと思います。
例えば、{netabare}緒戦のなのはVSヴィータ戦。
ファーストコンタクトを受け止める、なのはの魔法シールドの角度とか。
「ま、まさか、打つのか?」「あんな遠くから!」の時の
なのはちゃんの長距離砲撃の構えとか、{/netabare}
いちいち格好良いバトル作画が多すぎて、
私は今でもその図を脳内再生することができます。
そして、それらを盛り上げる良い意味でチープなバトルBGM。
適宜、差し挟まれるデバイスたちのクールな英語、独語ボイスの応酬。
カードリッジシステムの無機質なリロード音。
いや~ホント痺れます。
シグナム姐さんだけじゃない。
本作スタッフ陣には相当なバトルマニアがいるらしいw
個人的に『なのは』シリーズは、往年の少年バトル漫画熱復活アニメ。
萌えだけでなく、愛とか勇気とか友情とか、反撃の狼煙とか、
ベタながら燃えるシナリオ展開で童心に戻ることができる作品ですが、
本作の場合はバトルの構図だけで何度も燃え上がることができます。
本作よりリアルな格闘描写や人体挙動の再現を成し遂げた作品は、
他にも数多くあるはずで、
そういう方向性の追及もアニメの発展には必要だとは思います。
けどそれ以前に本作のようなイマジネーション豊富な……。
劇場版1stでのレイジングハートの言葉を借りれば、
知性と戦術が散りばめられた、数々の熱いバトルシーン構築を喰らうと、
エンタメ精神の重要性を再認識します。
そんな中で、私のベストバウトは後の劇場版2ndではカットされた、
{netabare} 第七話のフェイトVSシグナム、砂漠の再戦。
互いにバトルを重ね、手の内を知った者同士が次々と
手札や鞘まで出し合う展開が凄い熱戦。
本格的にバトルマニアをこじらせたシグナムさんと、
なのはの“男気”がすっかり伝染したフェイトちゃんによる、
合間の舌戦も含めて、大好きな一戦です。{/netabare}
そう言えば、本作はまた、広義のクリスマスアニメでもあります。
聖夜に向けて“小さな願い”……。
その行方、しっかりと見届けましょう……。