yoshia さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:----
鬱っぽい人に薦めたい(笑)
決して鬱病の人に薦めてはいけません。
私がこの作品を見始めた一日前の話です。社会人である私は人生の岐路に立たされていました。
もうこれ以上続けたら、わりとマジでやばい。
最近、眠ろうと思っても、なかなか眠れない日が続いていました。
(もう、地元にかえろう)
熟考のうえ、朝の4時ごろ上司にラインで辞めたい旨の連絡をしました。
朝出社すると会議室に呼び出され、上司と社長との面談の末、近日中に退職の運びになりました。
それが、一日前の話です。
翌日、土曜日で暇だったので、ひいきにしてる同人サイトを眺めてました。
「なんでこんなリゼロ関係の作品がアップされてるんだ?」
前々から、頭の隅にひっかかってたものの、意識の表面上には浮かんでこなかったのですが、その日はどうしてか気になってしまい、youtubeで初めてリゼロのシーンダイジェストを見ました。
「・・・なにこの作画と演出のクオリティの高さ」
往々にして、アニメの審美眼に関する直感は当たるものです。
この作品も例外でなく、私の直感は当たりました。もっとも、終盤は障害となるハードルが低く感じられたので若干評価を下げましたが、それを差し引いてなお、ものすごい作品だと思います。
「アニメでこんなに泣くと思っていなかった」
タイトルに「鬱っぽい人に薦めたい(笑)」と題しましたが、これは鬱っぽい私が、同じ境遇にある同類の友に薦めたいと思ったからです。
同じ境遇にある人は分かってくれると思いますが、
何度も殺され、何度も運命に叩き潰され、自分のことを誰にも理解されなかったとしたら、ほぼ、確実に廃人になります。精神も肉体もズタボロです。
そんな痛ましさすら、私は涙を流して見ていたのですが、彼はレムによって本当に救われます。廃人を復帰させるなんで生半可なディティールでは、視聴者に説得できませんが、今回私は本当に納得した。
スバル君が、魔獣に襲われそうになったわたしを間一髪助けてくれたこと。
スバル君が、魔獣に身を呈して戦ってくれたこと。
スバル君が、代替品でしかなかった私に、笑って未来の話をしようといってくれたこと。
スバル君が、わたしの止まっていた時間を融かしてくれた。
スバルはレムにとっての英雄です。
そんな強い絆で結ばれていた二人だったからこそ、スバルが未来に絶望していたとき、止まった時間を揺り動かすことができるのはレムだけだった。
「世界中のだれもスバル君を信じなくても、スバル君自身も自分のことを信じられなくなったとしても、レムは信じています」
「レムは信じています。レムを救ってくれたスバル君が、本物の英雄なんだって…」
―――空っぽで、自己満足の欺瞞にまみれた俺を
――――レムが見てくれている。
―――――だったら俺は……
「空っぽでそんな自分が許せないなら、今、ここから始めましょう。
レムが止まっていた時間を動かしてくれたみたいに、スバル君が止まっていると思っている時間を今、動かすんです。」
「一から…、いいえ『ゼロ』から!」
そう、ゼロから。
ゼロから始めてみようじゃないか!!