セメント さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 2.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
借りた物は、死んでも返すな
ufotableのオリジナル作品ですね、この頃のufoはオリジナル連発して躍進してましたね。
<物語>
よく"1話だけ面白い"なんて囁かれるんですけど、全話を通してしっかり纏まっていると思いますよ。
確かに1話は面白いです、頼れるナイスガイのミスターと愉快な仲間達がマルチアーノ12姉妹と熾烈な抗争の果て宇宙船で飛び立つ展開には胸を弾ませたものです。
といっても本作の本題はフランカを交えてからの冒険活劇でしょうし、グレイスランドに到着してからブルースの財宝を見つけ出すまでの流れも悪くなかったように思えます。
強いて指摘するなら、大層な事をしていた割に残るものが少ないというか、どうにも印象が薄いんですよね。
2クールぐらいかけてキャラの掘り下げもしっかりしてやってれば、より良いものになっていたと思いますが。
それこそ最終話で触れていた幻のウィスキーを探す旅でも何でも見たかったです。
<作画>
どうやら金月龍之介さんが序盤の脚本を担当していたところ、ufotable社長の逢瀬祭さんが後から参入してきて好きなようにやったという話ですが、まぁ難しいでしょうねその辺は。
ちなみに漫画版は金月さんが担当していて、展開も大分異なるようですね、いずれ読みたいです。
作画に関しては阿倍望さんや木村豪さん、松田宗一郎さんや細田直人さんなどが原画で参加して繰り出していましたね。
アクション作画は良好です、芝居作画になると粗略が目に付く部分もありましたが。
<声優>
大塚明夫さんに堀内賢雄さんに宝亀克寿さんに大塚芳忠さんに、ベテランの吹き替え声優がずらと並び、まるで洋画を見ているような気分になれました。
マルチアーノ12姉妹も生天目仁美さんを筆頭にベストな配役だったと思います。
ただ3話であっさり死んだセプは新井里美さんでマーチと兼任でしたね、少々勿体ない気も。
<音楽>
OPとEDはどちらも社長が作詞してますね。
OPはイントロだけは格好良いのですが、歌が聞き取り辛くて残念な感じでした。
"ほふりまーみれのぼんへー"にしか聞こえません。
<キャラ>
4話のブルースの過去回は良かったですよ、「オーシャンズ11」みたいで楽しかったです。
ただ大海賊と劇中で名に負ってるのに、銀行強盗みたいな真似を誇らしげに語るのはどうなんだろう。
それと本作の顔と言っても過言ではない存在感を放つエイプリルですよね。
ゴスロリ姉妹の中でもリーダー格であり出番も豊富、なんといっても可愛い!
ただ私の目にはどうしても「ストロベリーパニック」の千華留さんにしか映らず、悪い顔の千華留さんだと思いながら見てました。
「ビバップ」や「アウトロースター」のようなスペースオペラを期待すると肩透かしを食らうのかも分かりませんが・・・。
"おじさんと少女が宇宙を旅するアニメ"ってだけで燃えてくるものがあるじゃないですか!
他にないような作品を世に送り出そうとする、その意欲を買いたいところです。