かしろん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
王道ラブコメと懐かしき「おねがい」
-最終話までみて修正-
遠く広がる星空、静かになく虫の声。
霧島海人はダムの上の歩道の暗がりの中でビデオカメラのファインダーを覗いていた。
「ちゃんと写ってるのかなぁ・・・ファインダー真っ暗だ・・・」
呟く彼の背後から猛烈な風が吹きつける。
「な、なんだ?」
振り返る彼が見たのは地上にまっすぐに落ちてくる閃光。
そして、爆発。
吹きつける爆風により態勢を崩し、柵に首を打ち付けた海人はダムへと落ちて行くのだった。
割れたメガネ、流れる血とともに・・・・
2002年に「おねがいティーチャー」を手がけた黒田洋介と羽音たらくが再び手を組んだオリジナル作品。
監督は「とらドラ」「あの花」など青春モノアニメに定評がある長井龍雪。
おっさんの回顧。
そっか、おねがいティーチャー、ツインズももう10年前か・・・
木崎湖、行ったなぁ。友人3人と車で。「聖地巡礼」の先駆けみたいなもんだもんねぇ。
湖畔のコンビニであずきのおやき食ったなぁ。おねティやツインズのポップが飾ってあったなぁ。
2回行って2回とも旧制松本高校に入れなかったなぁ。
そんな、懐かしく、また、思い出もある「おねがい」シリーズ。
物語:ただただ懐かしい「おねがい」シリーズ。そこに少し「あの花」エッセンスを加えたような典型的王道ラブコメ。
想いの一方通行を面白く、また切なく描いていく良い内容。
また、2話が尋問から始まる、終盤に木崎湖が出てくる、など「おねがい」シリーズを見た人にとっての嬉しい要素満載。
物語としてはそのオチを含めてど真ん中直球勝負。この作品はこれで良いのだが、人によっては、何のひねりもなくあっさりしすぎ、と感じるかもしれない。
王道ラブコメとして徹頭徹尾非常に堅実な内容だったが、おねがい」シリーズに思い入れがあるかどうかで感想が左右されそうな気も。
作画:最後まで大きな乱れは無し。「おねがい」シリーズ同様、「草薙」が手がける背景も美しく、キャラクターも魅力的に描かれている。
軽井沢アウトレットや最終盤の木崎湖は足を運んだことがあるだけに思い出も深く。
声優:最後まで主人公が棒気味なのが気になった。その他は良い。戸松遥の息を抜き気味にしたドジっ娘お姉さんキャラがここまでハマルとは。
音楽:OP、EDとも良い。OP、EDをKOTOKO本人が歌わないのは「おねがい」シリーズを見てきたものとして少し寂しいもんはあるが。
EDのやなぎなぎは、これだけの良曲もらえるなら、supercellのボーカルから外れて良かったと思う。活躍の場が広がった、と受け取りたい。
劇中曲も青春の切なさを大いに盛り上げている。第9話のラスト付近で柑菜がイチカの背中を押す場面から流れる曲はそれを聞くだけで思わずグッっときてしまう。
キャラ:各キャラとも個性があって良い。
主人公がモテる理由が分からん、というのをチラホラ見るが、別にのべつ幕なしで誰からもモテモテって訳でも無いしね。
EDビードロ模様の冒頭
探していた 好きになる理由を
もっともらしい言葉だとか
気づいたとき 糸は縺れ合って
固結びがひどくなってた
人を好きになる、ってのはそういうもんだ。