岬ヶ丘 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
極彩色の闇世界
怪に引き続き視聴。
前作に続きオムニバス形式で、物語によって解釈の難しさに差があると感じた。座敷童子・鵺・化猫は比較的理解が簡単だったが、海坊主・のっぺらぼうは個人的に初見では難しかった。化猫のみ舞台が近代で題材がなぜ化猫?ということで、やや違和感があった。ただモダンな雰囲気は物珍しく、そこは堪能できた。
作品全編を通して(化猫は除くが)、和紙の質感の演出が素晴らしい。日本古来の怪談を表現しながら、同時にとても新鮮でオリジナリティー溢れる描写になっている。その和紙の上で繰り広げられる極彩色の世界。浮世絵に水墨画、はたまた紙吹雪が舞う。スタッフの美術に対する造詣の深さが伺える。アニメでなければできない試みをこれでもか、と詰め込んだ意欲作だと思う。
前作に比べて作画も綺麗で、OPEDも物語に花を添える。独特な作風なので好みが別れるかもしれないが、非常に総合的な芸術性が高い一作。一点物語の内容的には作品上あまり気持ちのいいものではないので、その点は覚悟して見た方がよいかと思います。