hamasan さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ミステリ×アニメはむずかしい。
京都アニメーションの美麗な作画を楽しむ作品。
2016年のいま見るとちょうど一番古く感じてしまうタイプの「無気力主人公+零細部活動」のストーリーなのだが、原作のミステリ要素とヒロインの魅力によって類型の作品とはちがうオリジナリティをもっている。
謎解きの部分は原作を読んでいるか読んでいないかで評価が大きく変わってきてしまうところ。自分は第一作「氷菓」を読んでいたためその原作箇所は割合ついていくことができたのだが、初見部分に関しては、どうでも良い謎解きに一話まるごと使っているように見えたり、逆に視聴者に推理する暇を与えない間で物語が進んでいたりとストーリーの緩急に戸惑うこともあった。
今作ではそのわかりづらさを解消するために京アニの技術力を駆使して様々な色付けを施しているのだけれど、たとえば化物語のように文字表現を抽象的なビジュアルに発展させるというようなことはなく、ひたすら律儀に原作をなぞっているように見えるためアニメならではの説明の省略や補足があまりなかったのが残念。(でもその生真面目さはこのアニメの良いところでもある。)
11.5話をストーリー順で見たあたりから「これはミステリーアニメじゃなくてミステリ要素をダシにした日常アニメなのだ」と気づいてからはエネルギー効率の悪いシーンにもうまく乗ることができたし、原作では考えられないくらい主人公とヒロインのビジュアルが良いので男女ともに楽しめると思う。