アトランティス さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
かざした刃の先に思いを重ねた 祈りは時を超えて
2015年に新しく生まれ変わったFate/staynight。
本作は10年ほど前にアニメで放送されたFate/staynightのリメイク
とされていますが、終盤の展開等は全くの別物となっています。
そもそもFate/staynightは主に3篇のストーリーがあり
共通ルート、凛ルート、桜ルート、となっています。
以前アニメ化したものはこれらのルートをごちゃまぜにして
練られたもので批判が多かったと聞いています。(見たけど普通に面白かった。)
そこで今回のFate/staynight Unlimited Blade Worksは
凛ルートをメインにufotableによってしっかりと製作されています。
尚、これまた以前に放映されたUBWの映画と混同されないように
していただきたいのと、2017年から桜ルートを描いた映画が3章
に分ける形で公開されることが決まりました。題名は「Heaven`s Feel」
楽しみですね。
さて前置きは以上でレビューを書いていきますね。
一気に25話見たので感想は全編を通して書きたいと思います_(._.)_
●物語
ネタバレ含む、長文になります。
{netabare}今回はセイバーや桜や綺礼は脇役で
UBWルートの凛アーチャーと士郎を軸に置いたストーリー展開でした。
随所に伏線が張られていて18話あたりからのアーチャーと士郎が対峙するシーンは見ていて本当によくできているなぁと思いました。
この物語の本筋は相反する2つの正義の対峙。
士郎の「自分が犠牲になってでも誰かを助ける、そして皆を幸せにするという正義」と、アーチャーの「誰も死なせないという正義はただの理想であり虚構、欺瞞であり結局は大勢の幸せのために一部の人間には消えてもらわねばならないという正義 (?)」
前半から士郎の自己犠牲にはちょっと引いていたのですが
そのことが原因でアーチャーが士郎に切れているのかと思ったら
実はアーチャーは未来の士郎であり、士郎の信念が諸悪の根源だとし、
その元凶の士郎を殺すためにこの時にサーヴァントとして呼ばれる機会を
ずっと待っていたという展開には正直驚いた。
だからアーチャーには聖杯などまず眼中にない。
凛とキャスター退治するのかと思いきや
急にキャスター側につくし
それが実はキャスターの裏をかく作戦だと思いきや、やっぱり裏切ったようだし、そうだと思ったら良い所で現れる。
キャスターを倒した後はもちろん凛と再契約するだろうと思ったら
今度は凛を人質に士郎に果し合いを挑むし、、
まぁとにかく後半はアーチャーに振り回された感じでした。
まず、未来に英雄になる者も英霊として聖杯戦争に呼び出せるという設定も全然知りませんでしたw 英霊=過去の英雄と思ってましたからw
アーチャーが英雄エミヤだと分かってから
話がクライマックスに向かって行って士郎の覚醒と息を呑む展開で面白かったです。
セイバーは士郎とアーチャーの両方の相対する正義に対し
双方の言い分に納得しながら自らの過去の選択に思いを馳せる
感じの立場で後半は描かれていました。
今回はアーチャー(士郎)が主役っぽいのであまり語られていませんでいたね。
逆にキャスターについてはその過去も詳しく、
そして前半を通して一番の強敵であったこともあいまって
大分フューチャーされていたと思いました。
こちらの陣営はマスター共々最後まで微妙にすれ違っていたというか
いい夫婦になりそうな予感がして逆に怖かったw
士郎の14話の選択は常人ならまずしないでしょう。。
セイバーを自ら手放すなんて自分ならまず無理だ。。
14話は50分尺で前半はセイバーと凛とデートっぽく(可愛いセイバーが堪能できるw)、後半はそんな感じで絶望な回でした。
あと他の陣営については
イリヤの最期は何か悲しかった。
バーサーカーと分かりあえてこれからって時に。
というかアーチャー(金髪の方)のイリヤの殺し方が残酷すぎる。
すぐに止めを指すならまだしも、目だけを切って視力消すとか……
アーチャー(金髪の方)が今回の悪の親玉でしたが
士郎のUnlimited Blade Worksの中での戦いは凄かった。
有象無象の民を聖杯で裁定し、自分に支配されるべき者のみが生き残ることで、自分はその者たちを支配する。……なんて独善的な奴は危ないですね。
士郎の正義は切嗣によって植えつけられたものですが
その正義の方がまだ幾分マシです。
アーチャー(金髪)が「聖杯でこの世の人間を裁定する!」って言うシーンは最後の審判を彷彿とさせました。
Unlimited Blade Works
直訳すると「際限無き剣の作品」ということになるのだと思いますが
固有結界の中で無限のトレースオンVSアーチャー(金髪)の無限宝具武器庫のバトルの作画は神がかっていました。
それと、士郎は日本語で、アーチャーは英語で詠唱することで
同一人物ながらも微妙に違いがある所は面白いなぁと思いました。
アーチャーの詠唱は何かエコーがかかっていてかっこよすぎたw
またアサシンについては
後半空気になっていて
いつになったら出てくるのか……と気になっていましたが
最後の最後でセイバーと決闘シーンがあって
キャスターが消えた後もよく律儀に待っていたなぁと思って
ちょっと吹いてしまいましたw
最高の相手と戦うことだけが生きがいって人いますよね。
楽しそうな様子が顔に出まくりなアサシンでした笑
今回アニメ化したUBWでしたが
Fate/zeroの展開も所々に組み込まれていて
zeroを見てからの方がより見がいがあるなぁと思いました。
言峰綺礼は最終局面でまた出てくるんじゃ……とずっと疑っていましたが
杞憂だったようです。
最終話の「エピローグ」で
聖杯戦争後、士郎が実際にセイバーの墓碑まで訪ねていくのは
スタッフの作品への愛を感じました。
物語の感想はここまで{/netabare}
●声優
特に言うことはありません
●キャラ
物語のネタバレの中で結構書いたので割愛します。
凛はツンデレ全回で可愛かった。
凛のどんな局面でもあきらめないって性格は多分士郎も少なからず影響しているのではないかと思う。
(最終局面で士郎に魔術刻印を渡す際、高飛びに挑み続ける士郎を見つめる凛の回想シーンがあります。)
「セイバー可愛い♪」を堪能したい方はとりあえず14話前半の視聴をぜひ!!
●作画
アニメでこの作画は素晴らしいです。
光や雲、景色の作画はもちろん、光によって輝く塵埃まで細かく
描かれており、全力を持って5.0を出せる内容でした。
今以前のstaynightの画像を見返すと
あまりもの違いに唖然とするばかり……
●音楽
前半
OP 綾野ましろ「ideal white」
ED Kalafina「believe」
特別ED LiSA「This Illusion」
後半
OP Aimer「Brave Shine」
ED Kalafina「ring your bell」
挿入 Aimer「Last Stardust」
Kalafinaの曲についてはアルバム「far on the water」で、
Aimerの曲についてはアルバム「Dawn」で
両曲ともカバー出来るようになっています。
自分の中で一番fate感があったと思ったのはBrave Shineです(^_^;
LiSAさんが歌ったのは古い方のFate/staynightのアニメのOPです
以上、ここまで書いてきましたが
このアニメに関してはあまり時間を開けずに一気に見る方が
流れや各キャラの心情をよく理解でき、移入できると思います。
最近見たアニメ作品の中でもオススメ度の高い作品になりました!