じゅん さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
京アニの新たな一面
日常が面白いのはキャラが良い作品で、非日常が面白いのは世界観が魅力的な作品だと個人的には思っている。
日常アニメなら前者だけで良いがファンタジー系は後者が大事になってくるだろう。
で、『境界の彼方』を通して観て一番面白かったのは4話から6話あたりの日常編だったのだ。
つまりは残念ながら世界観にそれ程入り込めなかった。
それは何故だったのだろうか。
{netabare}伏線を回収して盛り上がっていく後半がイマイチ気持ちがついていかなかった。
さらには生死をかけた戦いなのにストーリーのピークになっても緊張感を感じられないままは話が進んでいった。
主人公の不死性が失われたと言われても、なんとなくこの主人公・神原秋人は死なないなと観る側に分かってしまったところがあるような気がする。
一方で栗山未来は最後まで消えてしまうと思っていたので、最後に(何故か)助かっていたのがより茶番っぽく映ってしまった様に思える。
秋人の生死で緊張感を煽ることは設定上難しいので、せめて未来ちゃんがどうして戻れたのかをしっかり示してくれさえすれば、それはそのまま後半の”境界の彼方世界”についての説明にもつながるだろうし、物語全体の説得力もグンと上がったのではないだろうか。
最初の方で書いたように日常編はとても楽しかったのでキャラはとても魅力的だったと思う。
栗山未来はアイコン的にも存在感を示せるキャラだと思うので、この作品があまりヒットせず、認知されないまま埋もれてしまうのはもったいなかったかなと思う。
個人的には新堂彩華が好き。
リアリティを持って非現実世界を描くにはより説得力を必要とする。
日常系アニメ最強の京アニではあるが、やはり京アニにダークファンタジーは難しかったのだろうか…というのが正直な(あくまで個人的な)感想。
いや、絶対にそんなことはないのだけど、今作ではその印象を払拭できたとは言いづらい。
付け加える形になるが、OPは2013年度全てのアニメの中でもTOP3には入る名曲。{/netabare}