セメント さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
俺、女はゾンビじゃないとダメなんだ
ゾンビアニメですね、原作ははっとりみつる先生の漫画です。
「ウミショー」も隠し切れないフェチズム漂う作品でしたが、本作もまた変態性に磨きが掛かっています。
<物語>
何と言ってもオチが秀逸です、理性を保てなくなった礼弥に噛まれて、それでも千紘は幸せで・・・。
本作はホラーテイストな雰囲気作りも旨くて、破滅に向かっていく二人の情景がそれとなく丁寧に描かれていたので、尚更この結末には感慨が湧きました。
これって実はオリジナル展開で、ダリンと出会っていない段階での噛み付きは、割と取り返しのつかないことだったりします。
ただ、私はこの終わり方は情緒に溢れてて好きなんですよね、難色を示す方が居ても無理ないでしょうか。
<作画>
キャラデザは坂井久太さん、制作はスタジオディーンです。
全体的に絵のクオリティは高かったと記憶しています、一つ一つの描写が凄く綺麗です。
さらにスタッフがやる気なのか、BD/DVDに収録された未放送話の他に原作付属のOVAが2本あります。
礼弥に出会う前を描いた0話と亜里亜の夢の話を描いた14話、どちらも本編に負けず劣らずの出来でした。
<声優>
内田真礼さんの初主演作品ですね、黒髪清楚な美人なんて思わぬ大役を掴みましたよね。
私にとっての内田さんは礼弥のイメージに引き摺られている部分が大きいです。
個撮上がりの声優ということもあって、まぁ私の周囲ではあんまり評判は良くないんですけど。
<音楽>
OPはnano.RIPEの「絵空事」、大人しいイントロなんですが、これが何とも情熱的な歌詞と曲で。
映像の方も研ぎ澄まされていて、久し振りに聞くと涙が出てくるくらい素晴らしいです。
<キャラ>
礼弥ってそれはそれは理想的なヒロイン像なんですけど、悲しいことに品質管理を徹底しないと腐り果ててしまうのが難点です。
千紘にしてみれば、それがいい!ってことなんでしょうけど、自分の傷口を縫ってる様子とか悍ましい・・・。
紫陽花の葉を口に食むシーンもありましたが、雨の日の紫陽花を見ると本作を思い出して真似したくなりますよね。
まぁ紫陽花には毒があると言われていて、真似しちゃ不味いんですが。
そして"礼弥愛"でお馴染みのお父様は、途轍もないインパクトがありましたね。
忘れられるはずもありません、誕生日に裸体を撮影したり、千紘の去勢を謀ろうとしたり。
そういえばBD/DVDの特典に"礼弥成長記録写真"なんてものが付いてましたが、あっ・・・。
最近は美少女×ゾンビ系のアニメが何かと多いですよね、「これゾン」とか「がっこうぐらし」とか。
その中でも極めてゾンビ要素に肉迫してた印象を受けます、ゾンビに対して誠実な態度が感じられました。
少々惨いシーンもありますが、見た後の心地の良い佳作でした。