「ロードス島戦記(OVA)」

総合得点
69.1
感想・評価
136
棚に入れた
691
ランキング
1906
★★★★☆ 3.8 (136)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

セメント さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ロードスの平和は俺が守る!

大元はコンプティークで連載されたTRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のリプレイなんですよね。
TRPGの認知度が極端に低かった当時、海外文学の翻訳をしていた安田均さんがこれに目を付け、水野良さんや山本弘さんなどを誘ってセッションに勤しんだと言います。
ここでのセッションを議事録として纏め、「D&D」の紹介という切り口で雑誌に掲載したところ、"まだ見ぬロールプレイング"の在り方に世間は慟哭し、瞬く間に人気に火が付いたという流れです。
まぁ要するにゲーム好きのオジサン達が集まって始めたTRPGから、小説・ゲーム・アニメなどの様々な媒体に派生していったという伝説的な作品です。


<物語>
コンプティークで掲載されたリプレイには幾つか種類があり、大きくは"D&D誌上ライブ(第1部と第2部)"と"RPGリプレイ(第3部以降)"に分けられます。
パーン御一行が冒険を重ねて経験を積み、最終的にドラゴンを討伐するという、"D&D誌上ライブ"の第1部が原点となるのですが、これには「D&D」のルールが適応されており、版権の問題もあって再販はされていません。
これらの掲載雑誌は軒並み高騰しており、国会図書館でも盗難によって紛失したという有様です。
オリジナルルールを採用している"RPGリプレイ"に関しては、後に文庫化もされているので入手し易いと言えるでしょうが、焼き直し感が強いです。
閑話休題、これらが元となって小説版が執筆され、このOVA版もその軸に沿っています。
ただ、1話にて、ドワーフの大トンネルでドラゴンと戦うシーンがあるんですよね。
その後の話とも脈絡が無くて、置いてけぼりを食らった視聴者も多かったと思いますが、ここに長々と上で述べてきた話に繋がります。
ここでのドラゴンとの戦いこそが、"D&D誌上ライブ"の最終章で語られた内容であり、小説版でも触れなかった幻の最終章のアニメ化に、ファンなら思わずニヤリとなってしまう訳です。
小説版もまだ完結してない時期でのアニメ化だったので、物語の顛末はオリジナル路線を歩んでます、スパークも出てこなかったです。
これはこれで上手く纏まっていて、申し分ない仕上がりだと思います。

<作画>
エフェクトが堪りませんね、沖浦啓之さんや井上俊之さんなどが参加されています。
今見ると古めかしいですが、重厚な作画で圧倒されること請け合いです。

<声優>
草尾毅さん全盛期じゃないですかね、とにかく至る作品に出てましたね。
流石に豪華な声優陣で、さらにナレーションが永井一郎さんというのもまた良かったです。

<音楽>
OPもEDも良い曲ですね、OPは新居昭乃さんが作詞作曲されてます。
印象的なBGMも多くて、特に危機が迫る時に流れる曲が好きでした。

<キャラ>
正義に燃えるパーンや気まぐれなディードリット、思慮深いスレインも皆魅力的で楽しいですね。
これをオジサン達が演じるリプレイ版の性格で見てみたいという気持ちもありますが、それは置いておいて。
アニメでは格好良いインド人の感があった、カシューが統治するフレイム王国って、炎って名前なのに風の部族が主たる構成員なんですよね。
安田さんが出した「アイテム・コレクション」って書籍が若き日のカシューを主人公としていて、その辺の設定も明かされるので必読です。


和製ファンタジーの金字塔なんて呼ばれてますが、確かに歴史的なムーブメントを巻き起こした作品だと思います。
OVA版に限って言えば、出来のほどは十分良いので見ておくべき作品の一つだと確信してます。
テレビ版もいつか見たいと思ってますが・・・。

投稿 : 2016/11/29
閲覧 : 365
サンキュー:

5

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