ちゃんもり さんの感想・評価
2.7
物語 : 1.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:今観てる
魔法少女+バトルロワイアル
はい。
放送前からある程度「ぽいなぁ・・・」とは思っていましたが、
やはりそう来ましたか。
今や若年層を中心に娯楽の最先端と言っても過言ではない
スマホゲームをインターフェイスに、ランダムに選出される
魔法少女たち。この導入部はまぁ今どきっぽいしおもしろいですね。
主人公、姫川小雪も平凡な女学生の日常から一転、魔法少女へ。
魔法少女となって人助けをすることで相応の「キャンディ」なる
ゲーム内マネー的なものがもらえるから頑張ってぽん!(ゲス顔
という一応ね、触れ込みなわけですけども。まぁそんな訳もなく
理不尽なバトルロワイアルに巻き込まれていく少女たち。
このあたり、序盤からきな臭さ全開なのでネタバレもくそもない気がします。
ん~・・・現在9話まで視聴していますが、
少々しんどくなってきましたね( ̄Д ̄;;
というのもこの子達・・・少々頭お花畑過ぎやしませんかね。
2話にてねむりんフェイドアウト=ガチ死亡が分かってるわりには
全員危機感薄すぎる気がするし、自分が勝ち残ったら誰か死ぬんですよ?
ちょっとあっさり状況飲み込み過ぎじゃないですかね。
幼馴染のラピュセル死んだ後もふっつーぅに人助けがんばる!とか
ちょっと・・・
その辺、もっとじっくり各キャラの心情を描いてくれないと
感情移入できないですね・・・
この手のバトルロワイアルものは
「参加したら死ぬかもだけど参加しなくても確定的に死ぬ」
という絶望ルールに嵌められて初めてキャラの行動理由になる訳です。
その名のとおり小説「バトルロワイアル」では
・生還者は1名のみ
・タイムリミット24時間
・タイムリミットまでに生存者が複数の場合は全員爆死
・外部との通信不可
・逃亡時は射殺(首輪GPSでゲームマスターが位置を把握)
・ゲームマスターへの攻撃は即刻射殺
・禁止エリア(時間ごとに増加)立ち入り時は爆死
というどう考えてもやらざるを得ない状況に追い込まれます。
それに比較すると本作では時間的猶予はありますし
誰と徒党を組んでも特に支障はない。
外部(魔法少女以外)ともいくらでも連携可能。
(そもそも誰も直接「殺しあえ」とは言っていない)
これだけスキマだらけな割には、
毎度毎度理不尽な追加ルールを強いてくるファヴに対して何故誰も
抵抗しようとしないのが、あまりにも不自然です。
誰かひとりくらいハッカースキル持ち、或いはスキル持ちの
協力者がいてアプリのデータ解析からファヴ及びゲームマスターの正体に
迫っていく流れが欲しかったですね。
不幸なルールの下で可憐な少女たちの儚い散り様を描きたいのであれば
上記のようにガチガチなルールにしないと説得力が出ません。
では逆に、所謂「ポストまどマギ」路線を狙っているとしたらどうか。
これも効果的には薄れています。
「まどマギ」のシナリオ構成の秀逸さは他作品のレビューでも
触れていますが、あの作品は「さやかが魔女化していく流れ」に
焦点を絞っているからこそルールの理不尽さと絶望が際立ち、
後のカタルシスに繋がっていきます。
本作品では確かにキャラが「エグい死に方」をしていくものの、
それらの「不幸な犠牲」が作品の中で効果的な役割を果たしているとは
どうも思えません(特に主人公、反応薄すぎる)。
2010年以降、こうしたダークな魔法少女作品は「新たな定番」と
化しつつありますが、私の中ではどうも今回もまどマギを
超えることはなさそうです。
やはりまどマギは「起源にして頂点」なのか。
ぜひともこのレビューをひっくり返すようなクライマックスを
期待したいものです。
2016.11.27
2016/12/25 追記↓
さて、一応最後まで視聴しましたので、総合的な感想を
述べていきたいと思います。
後半に差し掛かってから、
{netabare}
森の音楽家クランベリーが黒幕の一人であるという
描写が出てきましたね。まぁ一応1話冒頭からそれっぽい
伏線ありましたが、回収のタイミングもう少し何とか
ならんかったのか、というのと、ここまで引っ張ったネタならね、
もぉーーちょいクランベリーに尤もらしい行動理由用意して
あげましょうよ。
なにげに、実は真の主人公はクランベリーで小雪はただのわき役に
スポット当ててただけでした、的なミスリードだったら
ちょっとアリだしおもしろそうかな、って思ってたんですよ。
ちょうど「黒幕=クランベリー」の流れになったところで
Aパートまるまるクランベリーの過去編とかやって、この
壮絶な殺し合いを始めざるを得なかった理由とか含めて
今回の事の真相に迫ったりしたらドラマチックだったんじゃないかなぁ。
ところが結局凡ミスでたまに一撃食らって退場。
おまえパッシブソナーどこいったよwww
まぁこれまで役に立たなかったたまの能力が実はタスクact4ばりの
チート武器だったのはちょっとおもしろかったですがw
{/netabare}
最終話はリップル vs スイムスイム。
{netabare}
スイムスイムが対物理無敵なの分かってるのに脳筋ナイフ投げとか
リップルさんちょっとないわ。
拳銃やら手りゅう弾やらどっから持ってきたん?
スタングレネード持ってんなら最初に使えよwww
とまぁ・・・なんでしょうね。突っ込みどころ満載なバトルシーン。
しかも私、一番嫌だったんですけど、このタイミングで今さら
欠損描写とか要るか??
一旦死んじゃったように見せかけたかったんでしょうけど、
それにしたって別に必要な描写だったとは思えませんねぇ。
別にグロ描写が嫌いなわけじゃないですけど、何だか品がないです。
しかも小雪到着で元の姿で倒れてるときは腕戻ってるし、
その後また魔法少女になったら欠損状態続いてるし、
そこらへん説明ありませんよね?
作品内で説明しきれない設定は分かりにくいだけなので要りません。
んで、これまた都合よく近くに落ちてるマスター端末。
この時点ではクランベリー脱落でマスター不在なはずですが
自立歩行機能でもあるんですかね?
まぁ小雪の「困った人の声が聞こえる」スキルを利用して
ファヴの「マスター端末壊されると困る」という弱点を
見抜く件は唯一設定を生かせてた瞬間だと思いますが、
それもっと早くやっときゃよかったんちゃうのw
ともあれとりあえず諸悪の根源ファヴにワンパンくれることに
成功したスノーホワイトとリップル。
ゲームはご破算となり、生き残ることができました。
小雪は何を思ったか家を飛び出し、魔法少女としてもっと強くなる!と
人助けと修行の旅?的な道を選んだようです。
いや、なんか本当に描写がぼんやりでそんな感じ?ぐらいしか
わかんないんですよコレ。
そして最後は各党の得意なリップルに稽古をつけてもらいつつEND。
やはり魔法少女の行きつく先は肉体言語ということなのか?
大魔法峠は正しかったんや!
{/netabare}
というわけで、正直創造よりもかなーーーりナナメ下な終結でした・・・
作品を通じて思ったのは、終始、各キャラがストーリーに
都合のいいようにしか動いてないんですね。
キャラを「人間として」描けていない。
当然感情移入などできるわけがなく、なまじ作画が良くて
キャラも可愛いので残酷な描写だけが只々胸糞悪いです・・・
あまりオススメはできません。