STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
小粒になった感はあるが、熱さは変わらず
基本的なテイストは変わらず、いい意味でのだささを感じさせるヒーローバトルもの。
この辺は特撮ヒーローものに通じるような、空気感を感じる。
ただ、1期の月の破片を引っ張る行為に代表される馬鹿馬鹿しさを伴った荒唐無稽さは
無くなってきた感があり、こういった部分がこのシリーズの破天荒さを印象付けていたため、
作品自体は小粒になってきた感じがあった。
本作の敵であるキャロルだが、その行動原理に父との関係性があり、それに対比するように
立花 響、風鳴 翼の父との問題を描くなどの構成はなかなか良かった。
響の父に関してはどうしようもないぐらいの情けなさっぷりを描いていた割には、意外と
簡単にいい面が出てきて解決と、尺の問題があったのだろうか、ちょっと安直な感が
あったけど。
序盤、気になったのが響の不戦主義とも言えそうな行動。
他作品でもこういったキャラはおり、メタ的には主人公が優しい性格であることや、その
主人公が戦うことの意義を描くためのものであることは承知しているが、さすがに3期にも
なって、こういうことを言っていると、バトルものであるゆえに結局は戦うことになるのは
判っているだけに少々イライラさせられた。
この手のシリーズものは、シリーズを重ねるごとにキャラが増えていくため、一人一人の
描写が減っていく傾向にあるが、本作もそんな感じ。
それでもそれぞれに物語を与えようとするから、あるキャラの問題があって、それを解決と
いうパターンの繰り返しになってしまい、イベントの割には平坦な印象があった。ちょっと
メリハリに欠けたというか、そんな感じ。
それでも終盤のクライマックスはなかなか熱い展開で、最後はどれだけ熱くなるのって感じ。
歌いながら戦うのは本シリーズの基本だが、終盤でのシンフォギア装者とキャロルの
歌い合いはなんだがミュージカルみたい。
前述のようにストーリー展開にはノリきれない部分があったけど、終盤にはこの熱気に
当てられたか、そういうことはもうどうでもいいやって気分に。少なからず勢いはあった。
キャロル役の水瀬 いのり氏だが、これまでは可愛らしい役が多かったためか、本作における
セリフと言い、歌と言い、ドスの効いた声がなかなか新鮮でした。
中の人と言えば、響と小日向 未来の同級生。それほど重要な役ではないためか、1期では
当時の若手をキャスティングしたのだろうが、その後小松 未可子、東山 奈央、 赤﨑 千夏が
活躍している今の状況を見ると、ちょっと勿体ないぐらいの印象がある。