蒼い✨️ さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
これ、なんてエ○ゲ?
アニメーション制作:SILVER LINK. / Nexus
2015年10月 - 12月に放映された全12話のTVアニメ。
原作は海空りく。GA文庫のラノベです。
【概要】
“伐刀者”= 魂の力を武器という形で実体化させ、特殊能力を魔力で操る異能の存在。
“魔導騎士”= 国際魔導騎士連盟の認可を受けた学校を卒業した者に与えられる免許制の資格です。
“黒鉄一輝”= 主人公。魔法力の低さから落ちこぼれとされていますが、学生の中では最強の剣技と戦闘技術。
“ステラ”= チョロイン。世間知らずな皇女で留学生。炎を操る超天才騎士。一輝にべた惚れする。
一輝のブラコン妹や、性同一障害っぽい男など多数の登場人物が他にもいますが、省略します。
騎士の名門の黒鉄家に生まれながらも魔法の才能の無さから蔑ろにされてきた主人公・一輝が、
ヒロインのステラとの決闘などを通じて恋仲に落ちたり、
一輝自身の願いのために騎士学校で様々な戦いを経て最強の高みを目指していく。
そういう物語です。
【感想】
日本刀+異能バトル=騎士?
えええ?騎士ってなんぞや?
例えば、フランスに武士学校があるという設定のアニメがあると想像してください。
登場人物の大半がフランス人でみんな“武士”を名乗ってるのにレイピアで戦ってるw
このアニメの“騎士”は、アメコミ世界における“忍者”より本来の意味を失ってるような?
なんとなく格好いいからファッションで“騎士”という呼称を使っている。
現実世界の“騎士”とは概念が違うようですね。
叙任とか無しに“学生騎士”が多数いますし。
今時のゲームやラノベの界隈では疑問もなく“姫騎士”という単語がありますし、
そのへんは深く考えたらいけないのかもしれません。
そういや、世界観がゲームっぽいですよね。
見た目キャラデザもエ○ゲっぽいですし。
主人公を取り巻く環境も、そのまんまエ○ゲですし。
剣士の少年がトーナメント形式で最強を目指しつつヒロインとイチャイチャするゲームがそういえばあったような?
それはさておき、主人公の設定が魔法科高校の劣等生と被っています。
それはよく言われていることですし、今更って感じですが。
気になったこととして、ヒロインの皇女殿下の性格がツンデレ→デレデレ。
どうも彼女のパーソナリティがテンプレ過ぎて、一個の人間としての魅力が薄いような?
主人公が頑張ってエッチにありつけるであろうトロフィに過ぎない少女に、
人間としての複雑さは不要なのでしょうか?と思ったり。
おっ○い揺らすよりも乙女心と言いましょうか人間としての内面描写が欲しかったような?
ゲームやアニメで培養された作者の価値観の中で作られた世界と登場人物って感じで、
どうにも人間描写の掘り下げが甘いなと、すっごく思います。
まあ、今時の作品にはそういうのが多いのかもしれませんが。
だから、二人の恋愛描写が雑ですね。
最初から結果ありきでイチャイチャしてるだけであり、その描き方に丁寧さが足りません。
二人がお互いに惹かれあう心理描写を緻密にやって欲しかった気がします。
恋愛をじっくり描く作品ではなく二人の恋もサービスシーンの前フリにすぎないのでしょうか。
恋愛描写といえば、少女漫画のほうがしっかりしてるかな?と思いつつも、
少女漫画もピンキリですしね。
要するに作者の妄想の産物である作品は、妄想力がどれだけあるか?ということ。
さてさて本筋。
一回でも負けたら脱落の剣術大会。
これで最後まで勝ち続けた六名が学校の代表となるのですが、
学校を代表として他校と戦うのに、本当の最強メンバーを選出出来ない仕組みになっているのにひっかかりが。
最終的に代表になったメンバーを見て、なんで大して強くもないこいつとあいつが代表で、
作中の学生では最強に近い生○○長が最大の難関でありながらも主人公の踏み台になったばっかりに、
代表メンバーになれなかったということに納得出来ないというか。
そういう制度なんだから仕方が無いのでしょうが、学校にメリットが全く無い大会の仕様ですね。
制度といえば、主人公とヒロインのすけべえな環境を作り出すために、
男女がペアでルームメイトになるという制度が酷いですよねえ。
今までそれで、ルームメイト同士で仲良くなりすぎて、
金八先生の保と雪乃みたいな問題が起きなかったのでしょうか?
作者によるお膳立てで主人公とヒロインが恋仲になってしまったがばかりに、
それをゲスな連中に利用されることになるのですが、
お話の作り方に無理があるというか、
そこに持っていくための強引さが気になりますね。
主人公が己を貫き“理不尽”をねじ伏せるという物語なのですが、
このアニメの世界設計がいろいろとおかしくて“理不尽”だよ!と思ったりw
王道を意識した展開に燃えるより以前に、
11話~最終回で見られたゲスキャラが、
主人公とヒロインを輝かせるためのほんまにどうしようもないクズだったりで、
イチャイチャもシリアスも、こうすれば人気が出るだろう?
というウケ狙いの状況づくりが露骨すぎるかな?という気がしないでもないアニメでした。
太ももフェチには結構良い作品だとは思いますけどね!
個人的には「剣士殺し」が面白かったピークで、
綾辻絢瀬が登場人物の中では一番の好みですね。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。