どらむろ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
少女漫画の超ドロドロな昼メロ恋愛劇。キャラがウザ過ぎて嫌い…でも面白い。速水奨さんセクスィー♪
『別冊フレンド』の少女漫画原作のラブコメ全25話です。
ヒロインの恋心が、ふたりの男子の間で、振り子のように揺れ動く…
恋のお邪魔虫「さえちゃん」の汚さがハンパない!
うっぜええええええええええ!!!!
典型的な少女漫画です。好き嫌いが明確に割れる作品でしょう。
ストレスがハンパ無いので、ストレスフリー求める視聴者にはオススメ出来ぬ劇薬です。
私は…正直ニガテな部類なんですが…
それでも最後まで魅せられてしまうインパクトあり。
前半を乗り切れれば、後半尻上がりに面白くなります(錯覚?)
…あと速水奨ファン的に、はやみんの悪セクシーボイスが堪らん♪
※台湾で実写ドラマ化済み、新作実写映画(日本映画)が2017年5月20日頃公開予定だそうです。
{netabare}『物語』
見た目はコギャル(死語?ちょっぴり不良っぽい少女、という認識でおK?)っぽいけれど、本当は真面目で優しい女子高生・安達もも(ももちゃん)が、真面目硬派系イケメンの東寺ヶ森一矢(とうじがもり・かずや。通称トージ)と、軟派プレイボーイの岡安浬(おかやす・かいり。通称カイリ)のふたりのイケメンの狭間で揺れ動く。
…そこに、見た目は清楚美少女だが性格は凄まじくイヂワルな柏木さえ(さえちゃん)の尋常ならざる恋の妨害工作がさく裂!
さえちゃんの姦計や、男女3人の些細なすれ違い、目まぐるしく変化する関係性…
果たして、ももちゃんの恋の行方は…!?
一見ベタな展開なんですが、その過程でももちゃんが予想外の行動に出たり、男子ふたりのももちゃんへのアプローチなど、絶妙に飽きさせない。
……序盤~前半は、さえちゃんの汚さが凄すぎる。
単なる悪女を超えて、ここまでくると病的な執念を感じてコワイです。
さえちゃんの姦計に絡め取られていく、ももちゃんとトージ。
さえちゃんもさることながら、ももちゃんとトージがお人好し過ぎるのも、ストレスに拍車をかける感じ。
学校のモブもアホ過ぎでむかつく(特に男子ェ)…いやまあ、さえちゃんが小悪魔すぎる、岡目八目で(こいつらバカか!俺なら騙されんぞ)と思う人ほど実際ちょろそう(私とかダメそう…)
6話まではとにかく不快な展開続いて心が折れそうになるんですが(弱メンタル)
6話、カイリの機転でさえちゃん懲らしめられる…インガオホー!
ところが!10話から復活のさえちゃんの姦計が…これ明らかに犯罪じゃないですかー!?
…正直、さえちゃんの汚さより、トージがアホとしか思えんのが難でした。
全般的に序盤~前半はトージ不甲斐ない、カイリ頼れる印象強い。
前半は嫌な展開だな~(と思いつつ続きが気になる)
12話~14話辺りから、ジリジリと面白くなっていく…
後半はさえちゃんの妨害が病んだもとい止んだ代わりに、波乱要素が劇的に増えていく。
次々と波乱イベントが発生して先が全く読めない…(昼メロとか韓流ドラマ的なノリ?殆ど観た事ないけれど)
カイリの兄・涼(リョウ。CV:速水奨さん)登場してからが俄然面白いです。
イジワルだが子供っぽいさえちゃんとは別ベクトルの悪い男、こいつの存在が、カイリのドラマを加速させる…ついでにさえちゃんも。
相変わらずトージとカイリの間で揺れまくるももちゃん、カイリはカイリで、実は保険の先生・操(みさお)ちゃんを密かに思慕しており、その想いの狭間でももちゃんとの関係もドロドロしていく…
ううむ、面白くなってきたぞ!(白目)
やっぱりトージよりはカイリの方が…?
ももちゃんの揺れは正直あんまり面白くない。その時々の都合の良い男に流されてる感じで。
ももちゃんよりも、カイリと操ちゃんと…涼のドラマの方が面白かった。
終盤のトージとカイリの修羅場も中々…。
最後の最後まで(ももちゃん、トージとカイリどっち選ぶんだー!?)と視聴者を翻弄しつつ、きっちりと決着が着いたのは見事…というよりも、物足りないような。
総じて前半のさえちゃんの常軌を逸した行動言動にイラッとしつつも、後半は面白かったです。
ももちゃん(とトージ)の誠実さがちゃんと報われている雰囲気(6話・17話、後半はももちゃんモブの信頼得ていたり、一度はさえちゃんに騙されて敵対した女子が味方してくれたり)も良い感じ。
その為か、さえちゃんという稀代のトリックスターが大暴れした割には、最終的には後味の良い作品なのが良い。
振り子時計の如き恋愛展開も、(唐突感はあれど)その場その場での説得力はあるので、結局グイグイと見せられてしまう。
…正直ニガテな作風なのですが。
それでも、ここまで力入れてレビューしたくなる辺り、それだけの魅力を感じた作品だったという事でしょうか…。
『作画』
キャラデザがあんまり可愛くないのがネック。萌えアニメ好き層にとっては…。
モブの黒髪の子が見た目は一番かわいかったような。
まあ、慣れれば、こういう作風だと。
さえちゃんのディフォルメの小悪魔顔好きw
『声優』
ももちゃんの千葉紗子さん、さえちゃんの那須めぐみさん、アニメよりも実写ドラマ寄りの演技。
トージの木内秀信さん寡黙キャラながら終盤は凄味が。
カイリの鈴村健一さんは鈴村さんらしいはまり役。
注目は涼の速水奨さん。
速水さん、チャラいイケメン(悪い男)をやらせてもセクシーですなぁ。
あぁ^~はやみんイケボなんじゃぁ^~
『音楽』
OP「ベビーローテンション」ED「あすなろ銀河」が中々の良曲。
特にEDはももちゃんのテーマを込めているので高評価。
『キャラ』
好き嫌いは別にして(正直、あまり好きにはなれないが)印象に残る名(迷)キャラクターが多いです。
また「意外にも真のゲスは(メインの中には)誰もいない」
モブ含めて、割と真のクズは少なかったのも良い。
ヒロインのももちゃんは誠実で善良な良い子、紆余曲折を経ても優しさを失わなかった。
彼女の評価は結構割れるのでは…。
お人好しが過ぎる点、悪気は無いが男を振り回しまくる点は…
軟弱な男性視聴者には萌え難いです(私とか…)
トージは、寡黙で誠実なナイスガイ。前半いや終盤近くまではイマイチ魅力が分からない。
通して観ると、一本筋の通ったトージも良いかな~とは思うのですが。
表向きはチャラいカイリの方がキャラ的には面白かったです。
(カイリの方が良いだろ…)とずっと思いながら観ていくと…(うーん?やっぱり難ありか?)と思わされる辺り、良く出来ている作品だなぁ。
カイリ兄の涼さまの大人の魅力(悪)は見ていて面白い。
ゲスかと思いきや…操ちゃんを本気で愛してたり、さえちゃんをきちんと拒絶してあげるのは、むしろ大人の男としてはカッコイイ。
それ差し引いても悪い男なのは確かなんですが、終盤結構体張って見せ場ありますし。
…声がはやみんだし!
眼鏡美女の保険医・操ちゃんもステキな女性でした。
前半はモブかと思いきや、後半はカイリと涼(ついでにさえちゃん)の狭間でヒロインしていた。(正直ももちゃんより魅力感じる)
奥ゆかしくも芯の強い大人の女性、出番は少ないものの、岡安兄弟が惚れるのも納得。
本作最大の目玉キャラは、何といってもさえちゃんでしょう。
イジメ紛いの姦計が常軌を逸している、あまりにもウザすぎる…。
「12歳」のココアちゃんはまだ全然可愛げがあったんですなぁ(白目)
でも、彼女のお陰で本作が面白いのも事実。
最後まで視聴すると、印象が好転する良キャラでした。(いや冷静に見るとやっぱり許せないような?)
…悪い意味での子供、全編通して「恋に恋する」というか、愛に飢えた獣(ケダモノ)でした。
それが間違った方向に大暴走して、ももちゃん他を傷付けまくる悪女。
なんですが。
ある意味純粋で一途。
涼さまに本気で恋する真剣さは、ヒロイン的に、ももちゃんより面白味がある。
…全編通して「真実の愛は、汚い手で奪ったり(前半)、相手に依存して寄りかかっても(後半)得られはしない」を反面教師で見せてくれるキャラでした。
その他。モブの女子に地味に好感持てる子いる。
19話のソバ屋の夫婦が良い人で、恋に迷ったカイリに人生の先達として助言するオヤジ良かったです。{/netabare}