STONE さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
材料は良いが、調理は・・・
原作は未読。
暴力団、ドラッグ、自殺など現実社会に根付いた重たい
ものを扱ったりで、いわゆるアニメでは珍しい題材を扱ったな
という印象。
ただ回によって、かなりネタの色合いが異なる。様々な
要素があること自体は作品の振り幅の広さに繋がり、悪いこと
ではないが、この作品に関しては、1クールで1つの事件を
数話で描くために、作品カラーがまとまらずにとっちらかって
しまった印象。
個人的には「挑戦」という意味では、4話や9話のような
ハートウォーミングな話より、1話や10〜12話のような
シリアスで重いネタの方が、作品の個性化に繋がるかなと
思うが、そうなると気になるのがニート探偵事務所の面々。
キャラの特徴がデフォルメされた感じで、シリアスな事件を
扱うと、解決する側であるニート探偵事務所側が浮いて
見えた。そのためキャラ自体もあまりパッとせず、結果として
平坂組の方が活躍していた感じ。
で、その平坂組なんですが・・・。
これは個人的意見なんですが、この作品に限らず、「正義の
やくざ」という存在が嫌いなんです。ギャグものは除くけど。
いわゆるヤクザやマフィアが出てくるような作品自体は、
アニメに限らずむしろ好きだったりしますが、彼らのカッコ
良さはダーティーヒーローとして捉えており、裏社会の中での
生き様がカッコ良く映る代償に、社会的には後ろ指指される
存在であったりします。むしろ自ら反社会的立場に身を置いて
でも、己の生き様を貫く部分がカッコいいと言うか。
ところが「正義のやくざ」という存在はダーティーヒーロー
的カッコ良さを得つつも、社会的にはいい存在として
認められるという、ちょっと虫が良すぎる存在に感じて
しまいます。
キャラに関しては、引きこもりの探偵という面白い存在
であるアリスを印象付けようとしているみたいだが、前述の
ように平坂組に活躍の場を奪われたためか、思ったほど魅力が
伝わってこなかった。
このアリスはいわゆる安楽椅子探偵の範疇に入るの
だろうが、通常の安楽椅子探偵が助手、またはパートナーが
持ってきた調査結果を基に推理を駆使するのに対して、
アリスはネットで自ら情報収集するのが印象的。そういう
意味では安楽椅子探偵というより、新時代の捜査係といった
印象だった。
全体として、題材は悪くないが、それがうまく生かせて
いない印象の作品でした。