「秒速5センチメートル(アニメ映画)」

総合得点
87.0
感想・評価
3993
棚に入れた
18469
ランキング
174
★★★★☆ 3.9 (3993)
物語
3.9
作画
4.3
声優
3.5
音楽
4.1
キャラ
3.6

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さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.0 状態:観たい

心的距離

初恋、あ〜、初恋。


多々良 大悟
2018/01/17 23:46
アニメ映画『秒速5センチメートル』

見終わって完全に、感情の行き場を失った。。

初恋の人。。いるはずもないのに、あの路地を遠回りしてみたり、その子が住む街の方へ行ってみたり、、あの日の思い出を思い出し、いろいろと心にずしりとくるものがありました。



分断の象徴として印象的に扱われる踏切、そこを走る鉄道は唯一彼らをつなぐ架け橋だった。

それも種子島にいったことで断たれ、初恋は、急速に、終息へと、向かう。



何もない遠い宇宙にロケットを打ち上げるような、そんな登場人物たちの心の距離感を種子島という地から感じ、また胸が苦しくなりました。



繋がりたいのに繋がらない。



技術が進歩して人と繋がりやすくなっているはずなのに、どこか心には寂寥感が漂う。

新海作品共通の、「距離とつながり」が色濃く出ていた作品だったように思います。

劇中の「あなたのことが今でも好きです。 でも、私たちはきっと1000回もメールをやりとりして、たぶん心は1センチくらいしか近づけませんでした」というセリフにも胸にずしりと突き刺さるものがありました。



『「君の名は。」は主人公が「もがく・あがく」作品だ。』
と新海さんがおっしゃっていましたが、足掻かない主人公を淡々と、「リアル」に描いたのが、「秒速5センチメートル」。



余談ですが、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「君繋ぎファイブエム」というアルバムの歌詞世界観に非常にマッチしていて、通底する「つながりや寂しさ」といったものは00年代のこの時期を捉えるキーワードなのかもしれません。

「見知っている光景、電車にスーッと感情移入し、気付いたら心に、何か得体の知れない感情が残っていた」
そんな映画でした。

投稿 : 2018/01/30
閲覧 : 222
サンキュー:

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