セメント さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ご冗談を
黒澤明監督の「七人の侍」公開50周年の折、現代版「七人の侍」として制作されたアニメです。
<物語>
商人が中心の新体制となり、急速に機械化が広まった未来の日本が舞台です。
分かり辛い世界観ですが、鎖国状態が続いたまま、技術だけが進歩していった日本と考えて良かったと思います。
最初は小さな村を守ることから始まり、段々と仲間を増やして、最終的に都に攻め込んで、商人が私腹を肥やす社会の体制を切り崩していくというお話です。
原作の影も形も無くなってるような気がしますが、七人の内にロボットが一人居る時点で突っ込んだら負けです。
案外重厚な国盗り合戦が展開され、登場人物同士の関係性も深く、目を見張るものがあります。
戦いの中で、仲間たちが消耗していく様子も克明に描かれていて、一概に大団円と言えない締め方も、名作たらしめている所為でしょう。
<作画>
滝沢敏文監督は「ボトムズ」や「ドラグナー」で培った経験をメカニックに注いでいる印象です。
作画監督には奥野浩行さんや秋山由樹子さんなどが入り、特に奥野さんと森久司さんで二人原画された7話は圧巻です。
<声優>
キクチヨやヘイハチには、俳優の方が起用されてましたね。
ヘイハチなんかはかなり棒読みなんですが、そこに味が出てて大したものです。
<音楽>
スカパー系列で放送してた頃のOPは相川七瀬さんが歌ってたんですが、NHKでの再放送ではV6になってるんですよね。
相川さんの方は曲が勢いあるので好きですね、V6も歌詞は良いんですが。
<キャラ>
流石は巨匠の作品からキャラクターのインスピレーションを得ているだけあって、個性的なキャラばかりです。
ヘイハチ殿が最後"米が食いたい"って死ぬのも壮絶ですよね、食わせてあげたかったです。
キュウゾウ殿がカツシロウの銃撃に巻き込まれて死ぬ展開だったのがなんとも虚しいですね。
そして二人の死に目に居合わせるカツシロウ・・・。
小説版ではアニメで語られなかった主要メンバーの過去が明らかになるということで、機会があれば読んでみたいです。
GONZOちゃんは何をまた眠たくなるようなアニメを作ってるんだと侮っていましたが、これが結構面白いです。
本作然り「旋風の用心棒」然り、黒澤監督作品のリメイクに外れなしですね。