snow さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
傑作映画<90>
冒頭、幼少期の想像と記憶のごっちゃになったおとぎ話のような始まりから、戦時のさまざまなものが奪われていく中送る日常。そして姪と左手を失い、玉音放送への激昂、涙。最後は地獄をさまよってた幼女を救い上げてまた日常に回帰していく。
原作からカットしたエピソードが多いけど、それが却って1本の作品としてのまとまりを生じさせているレベルの構成で違和感なし。
削ぎ落としたした エピソードが余計だって話じゃなく、全部この映像表現で見たいんだけど。
水彩画のようなやさしい画風の背景も作品世界にマッチしてていい感じ。(TVCMではどうしてもテカテカ背景な作品のほうが綺麗って印象受けるけど、ああいうのにもちょっと疑問を生じさせる傑作の力よ。)
他にも歩いてる人がどこそこの誰さんと特定できるレベルの考証されてるとか、綿密な作り。映画史に名前刻まれる格を実装してる。
能年玲奈改めのんはキャラと一体に溶け合ってた。
しかし、「まだ左手も両足もあるのに!」あたりの激昂が伝わりにくかったかなぁ、あそこが原作で最も印象に残ったトコなのに。監督インタビュー見ると、どうもその後の涙の方に比重感じてたらしくセリフ改変したりなんとか工夫を凝らしてた様子。
まず一回ガツーンと怒るインパクトが欲しかったなぁ。
ちなみに原作では鬼イチヤン(おにいちゃん)の大冒険が細切れに作中連載されてたり、映画に入ってないエピソードが多いので是非チェキ。
アメリカ公開版では人が死ぬたび"「やった!また一人殺せた」とちゃんと思うてくれとる?"と入れる夕凪の街リミックスでやるのはどうだろう。ダメですか、ですよねー。