Spica さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
主人公のぶれることのない強い思いが物語を導く
十二国記を見てから、NHKで同じように女性が頑張るお話はないかと思ってたどり着いたのが「獣の奏者エリン」でした。
放送当時はまだ幼くて、絵の雰囲気や話の難しさから理解出来ずに途中で飽きてしまったのですが、少し大人になった今視聴すると、他のレビューの通り、幼かった私にもきちんと最後まで観て欲しかったと感じます。
物語は主人公成長型のファンタジーです
あらすじはこのサイトのところを参考にしてください。
幼い頃、見た野生の王獣の影響で、エリンは保護場に連れてこられた王獣を本来の姿にし野生に返したい気持ちが強く、国が定めた王獣の育て方の本当の意図を理解しながらも敢えて自分のやり方で育て上げます。そういったエリンの王獣に対する強い思いが、エリンの成長と共に物語を進めていきます。
物語の途中その思いによって育てた良い結果がエリンが1番したくはなかったことを招いてしまいますが、それでもエリンの心は強くたくましいもので最後まで自分の意思を貫き通します。
最近のアニメだと悩みや挫折を経て・・・という抑揚を用いて物語に加速をもたらしています。この作品にもそういう場面が見られますが、タイトルにも書いた通り、気持ちがぶれません。視聴していて、イライラを感じることはありませんでした。
主人公の周りの人間であっても芯がしっかりしていたり、絶対的悪がいて、すっきり視聴が出来ます。
1つ悪いことをあげれば、他のレビューと同様声優だと思います。主人公のエリンを担当した声優さんは本業は女優で、ジブリと同じように、聴き取りにくいところが所々あります。壮大な物語でうまくカバーしていると思いますが、気にする人は最後まで見続けることが困難かもしれません。
NHKが制作しただけあって、過度な表現や、作画のぶれがなく、安心して観られる作品です。作中で何度感動して泣いたことか・・・。全50話という長編アニメのため、きちんとした連休にゆっくり観ることをお勧めします。
本当にいい作品だと思うので、焦らないで下さいね。
久しぶりにお気に入りの棚に追加出来る作品に出会いました。
この出会いに感謝を。