セメント さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
僕たちの間には、いつもJAZZが流れていた
原作は"このマンガがすごい!2009"の女性部門1位、「のだめ」のクラシック、「BECK」のロックと並ぶ、ジャズを題材とした本格音楽アニメです。
<物語>
それなりに重厚な青春群像といいますか、それぞれの未来まで描ききっているのが好感持てます。
最終回のプロローグは屈指の名場面でしょう、高校時代にあれだけ熱中したものも大人になってみればドライになってて、でもいざ楽器を手にすればすぐに童心に帰れる。
物事に対する姿勢とか、生々しくて好きですね。
<作画>
7話の文化祭での演奏は必見ですよね、JAZZ JAPANの編集長に"3分31秒の奇跡"と言わしめた伝説の回です。
佐藤千春さんの手の作画の拘りと細かなタイミング指示によって、繊細且つ大胆で見事なカットに仕上げられています。
鍵盤に指を付ける瞬間や離す瞬間の関節の動きを省かないようにして、リアルな指の動きを再現してます。
さらにピアノを弾く指、リズムをとる足、実際の音のタイミングに合わせて作画していて、気苦労が察せられます。
本作の演奏描写は、実際の演奏を多角的に撮影し、その映像を基に作画しているのですが、7話の場合は映像資料が少なく手作業だったというのも特筆すべき点でしょう。
その他、作画は良かったと思います。
<声優>
ボン役の木村良平さんと千太郎役の細谷佳正さん、この頃から人気沸騰したような気がします。
りっちゃんはゴツい見た目に反して南里侑香さんの可愛い声が面白かったです。
<音楽>
菅野よう子さん指揮の元、ピアノの松永貴志さん、ドラムの石若駿さんの演奏には舌を巻くばかりです。
私はジャズに疎いですが、私の周りのジャズ好きは、頻りに凄い凄いと叫んでいました。
その他音楽のレベルは高く、OPの「坂道のアポロン」のYUKIが歌ってます。
JUDY AND MARYといえば「ろばかす」は作品を全く知らないとしか思えない酷い有様だったことを思えば、この曲は比べ物にならないほど素晴しいタイアップです。
<キャラ>
あとは丸尾がまさかの大勝利を収めてて笑っちゃいますよね、時枝は丸尾のどこに惚れたんだ。
"坂道のホモロン"なんて言われもありますが、かくいう私も見る前は、男同士の濃厚な裸のセッションが始まるものと思っていました。
ところがいざ始まってみると、三角関係的な要素が前面に押し出されていて意外でした、途中危ない場面もありましたが。
まぁ別にホモアニメでも面白ければいいんです、本作みたいなアニメは貴重です。