蟹チャーハン さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
実はかなりの名作。青春ドラマで終わらせない過去の重荷と向き合う大人たち
気がついたら思い出して、見返したくなるアニメがあると思いますが、
このReLIFEはまさにそんなアニメでしたね。
甘酸っぱさとほろ苦さ。
何も約束はされていないけど、未来だけは感じる世界。
大人は誰しもが青年の若さをうらやましがるけれど、
若さ故にひとつの思いにとらわれて縛られがちでもある。
主人公は意図して高校時代に戻りたいと願ったわけではないけれど、
直面する問題やトラブルを抱えて対峙する勇気をもらった感じでしょうか。
会社で問題をを抱えて辞表を提出→アルバイト生活をしていた主人公のもとへ、謎の若返り契約の申し出が~。
陰湿な社会の黒い面ばかりを見てきたとの思いにとらわれた主人公には、自分を見つめ直すためにも
一年間、それも高校三年時限定で社会復帰してみては? と提案されます。
戸惑いながらも、10代の学生生活に光明を見出す主人公。
ただ、学生だって呑気に毎日過ごしているだけではなく、みながそれぞれに抱えた問題と向き合っていたのだった・・・。
それは恋愛だったり人間関係だったり、本当にいろいろですね。
卒業を控えて、それぞれがまた別の道を模索する時期でもあり、それは選択と別れを意味します。
薬の効力は一年というけれど、そうでなくても卒業と同時にバラバラになってしまう級友たちでもあり、
なんとなくそこは自然に納得できました。
やり直すにはいい機会なのかもしれない。
もしくは中学三年になるのかw
最後までこの実験の意味はよくわからなかったけれど、毎日、どこからか高笑いが聞こえてきそうな教室にいれば、
心がすさんだ主人公の気持ちにだって変化が出てきそうなものです。
作中でも、普通に毎日友達と会える生活なんて学生生活くらいのも~
みたいなセリフがありましたが、本当にコレですね。そこは100%同意しちゃいます。
幸い、人付き合いが苦手ではない主人公だったからか、転校生という立場にも関わらず
友人つくりは順調で、天然のアホっぽさも手伝ってか、最難関になりそうなところはクリアーします。
精神年齢は大人でも、頭脳は中学生レベルだった。。。これが良かったか。
赤点の追試だらけな主人公は学業の面で大いに友人に手助けをしてもらいましたが、これが社会に出ると
すごく難しいことで、なかなか人の助けありきでどーにかできるようなことは少なくなります。
あくまで自分の力しだい。
俗に自分のもらう給料の3倍稼げなんていうけれど、努力だけで乗り切れない時期もあるだろうし、
かかるプレッシャーに負けないためにも、10代のころの人間育成(メンタル)が大事なんだなと。
主人公は悩める級友に対しては、友人という存在の大切さを訴えていましたが、社会で生き抜くためには
本当に大事なことですね。
ひとりで抱えこむには大きすぎる問題ばかりですから。
とまぁ、やや話しが脱線しかけてきたので戻しますが、、、
自分は主人公の生き戻りで未来を感じる明るい高校生というより、そこは一度社会で脱落した(ちょい休憩中な)
立派な大人な社会人のドラマとしてみていました。
敬愛した先輩を失った過去の重荷を背負いつつ、それでもこれから真っ向正面切って対峙して生きていく
勇気と自信を取り戻すための時間とでもいうべきか。
そんな大げさでなくても気持ちの整理の時間でいいのかもしれない。
このアニメのEDは意図的に30代の視聴者を意識して2000年前後の名曲を使っていましたが、
その使い方もうまかったですね。
本編とうまくマッチしてつながっていました。
中でも心にぐっときたのが11話でのケミストリーのPIECES OF A DREAMです。
先輩の墓参りを終えてベランダでタバコを一服するアラタの物思いにふけった姿が印象的でしたね。
(禁煙しないんかい! というツッコミはなしでw)
せめてボクたちが一度背を向けたら
二度とは戻れない場所なんだと知ってたら。。。
キミに言いそびれたことが
ポケットの中にまだ残ってる。。。
いやぁ、、、、いい曲です。