ダレイオス さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 2.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
2期に放置と淡々と進むストーリーは人を選ぶけどストーリーの本筋は良かった。
CLAMPキャラ、スターシステムアニメですね。
今までのCLAMPキャラが1つのアニメに総出演する形だけど
多世界解釈の概念を取り入れていて、本家の本人とは別の世界の別人として
出てくるので本家での設定は引き継いでないみたいですね。
見た目が同じだけでまったくの別人と考えた方が良さそうです。
本家では主役なのにモブキャラもいたりするので
ファンによっては癇にさわるかも知れません。
それが我慢出来るかが大きいと思います。
ストーリーはファンタジーな世界観の王国で平和に暮らしていた
その国の姫、サクラとその幼馴染で遺跡の調査を仕事にしている小狼が
仲睦ましい関係からスタートするのだけど
その幸せがある日突然崩れ、どこかの世界にいる黒幕によって
壊される展開から始まる。黒幕の狙いはサクラの中に眠る「羽」で
それを手に入れ何かを企んでいるのはわかるけど
手に入れるのを失敗したにも関わらず、問題なしとして
その自分が手に入れるのを失敗した「羽」を主人公達が探すのを見守るという
黒幕でおそらくはラスボスではないかと思われるキャラにしては
行動が異例なので引っかかりを覚える開始ですね。
ストーリーはこのサクラの中に眠る「羽」の力をめぐる展開
黒幕が「羽」を手に入れるのに失敗したが
その時に「羽」が飛び散りサクラが命の危機を迎え
それを何とかするためには、この「羽」の回収が必要だけど
そのためには、探す手伝いをしてくれる魔女に対価を払わなければ
ならないと大切な人を救うために、大事なものを差し出すものですね。
そして差し出したのはサクラが持っていた小狼との
全ての記憶と要するに大事な人を救うために
大事な人が自分のことを忘れると、悲しい物語ですね。
「羽」を回収してサクラを救うことが出来ても
けして報われない展開は心に突き刺さります。
「羽」はサクラの記憶でもあるので
回収すると小狼以外の記憶は取り戻すのだけど
小狼の記憶だけは取り戻さないので
見ていてやっぱり何とも言えない感じになりました。
小狼自身は対価を払ったので、そうなるのは最初からわかっていても
いざそうなると、やはり・・・な展開は悲しくなりますね。
展開自体はシリアスな展開なので娯楽アニメとかにありがちな
コメディやギャグなんかは弱い。
サクラも最初は弱っているので会話すらまともにしないので
男の子と女の子の主人公同士がまともに話をするのは1話を除くと
何と6話と、少々視聴者には苦しい流れである。
だがこのアニメはここがやっぱりいいんですよね。
何とも言えない悲しさ、これはかなり良かった。
ストーリー構成は「羽」1つ1世界なので
「羽」を1つの手に入れるために1つの世界を淡々と
探索するものとなっていて、目的が決まっているので
驚きの展開とかは無かったですね。
サクラも命の危機はすぐになくなるので、危機感とかはあまり感じませんでした。
そして1つの世界を結構な話数を取っているのでテンポはあまり早くないので
テンポが遅いアニメが嫌いな人向けではありませんね。
あくまで「羽」を手に入れるために淡々とストーリーを進めている感じ
それでもストーリーの本質自体は良い方だとは思います。
言っていることも説得力を感じるセリフも多いし
1つ1つの世界の出来事は終わってみれば綺麗に終わっているケースが多く
テーマ性や言いたいことは、よくわかるので良かったと感じることは多かった。
強キャラも多いんだけどバトルは力技でただ倒せばいいとかではなくて
それなりに考えて戦ったりハッとするような展開があったりで良かったです。
小狼に関しては感情豊かではありませんが
展開を見れば彼が、何故その様な行動をとったのかがわかる演出が
されているケースが多いので彼の気持はわかるし
そういうキャラの見せたかは悪くはなかった。
後半はサクラも元気になってくるので小狼との関係は元の関係には
戻れないけど、新しい形での関係がみられるので
そういう関係は好きでした。
サクラは徐々に元気になる描写は上手く出来ていたので
その点は良かった。
展開もけして早くないのだけど展開が遅い分、独特の雰囲気があるので
この雰囲気も好きでした。
キャラに関しては小狼は掘り下げられてましたので
キャラの魅力が伝わってくるケースは多かったのですが
掘り下げられた分、謎が残るものとなっていて
伏線を張ったままになっているのは気になりますね。
ファイや黒鋼は時には優しく、厳しくとメリハリを付けていたのを
上手く表現出来ていたのは良いなと思いました。
さらにファイは面倒見のいい所が良いし
仲間にいいアドバイスをする所は魅力的でした。
時より意味ありげな発言も興味深いものがありました。
ただ、その分ファイのキャラも伏線を張ったままになっているのが
やっぱり気になるかな
黒幕にしても、目的がおぼろげながらしか判明しないし
作りが全体的に2期に放置した形になっているので
全体のストーリーの高評価はかなり難しいですね。
一番の問題点は最終回かな、これは駄目でした。
CLAMP作品ではありえないことが起こっているし第2世界での話を
覆す展開なのが駄目でした。
さすがに制作陣もヤバさに気付いてか2期でフォローがあるのですが
2005年当時見ていても驚きました。
劇中曲については壮大で深みのある曲だったと思います。
場面場面を盛り上げ、凄く良かったです。
もし音楽の評価5点満点を付けるのであれば
これだろうと思えるくらい劇中曲には説得力がありました。
作画については2005年のアニメなんで今見るとキツイだろうと
覚悟していましたけど、そんなことはなく作画自体は綺麗でした。
特に序盤は綺麗で凄く良かった。
中盤はあまりよくない回はありましたが
後半は回復するので、その点は好印象です。
問題点があるとすれば、テンポが遅いアニメではあるので
その分作画の動きが少ないケースがあることかな
キャラデザインはスターシステムなので元のオリジナルキャラと
違うので、それが駄目な人には駄目でしょうけど
今見てもカッコいいデザインだったり可愛らしいデザインなので
個人的には好きでしたね。
声優さんについては、これもスターシステムで元のオリジナルキャラの声優さんとは
違うので、それが絶対に駄目な人には無理でしょうね。
個人的には誰でも上手ければいいと思っているので
それは別に問題はなかったのですが
主人公の小狼役の入野さんとサクラ役の牧野さんは正直上手くなかったですね。
そういう役かと思える部分はありましたが
やはり上手くないと感じる部分は大きかった。
ファイと黒鋼役の声優さんは上手かった分、差が目立ったかな
淡々と進むストーリーは人を選ぶとは思いますが
ストーリーの本筋は悪くなく、1つ1つの世界のまとめかたは良かったです。
キャラは魅力的だったし、1つ1つの意味があるセリフも良かった。
途中までのストーリーは良い。
ただ、全体的なストーリーは2期に放置した作りなのでストーリーを高評価するのは難しいし
最終回が個人的には問題なので物語はこの評価です。