ねごしエイタ さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
社会教材としても通用する、只者ではないアニメ +
昭和初期の広島、特に呉(くれ)を中心に主人公のすずさんが、周作さんの家に嫁いだ日常を描いたアニメだったです。小中学校の社会勉強などで知られる、世界最初の広島原爆投下。このアニメは特にその前あたり頃で、すずさんの生活を描いているです。
私も竹原にはこのレビュの去年と今年に行ったことがあり、竹原行の電車に乗っているとき駅名に「呉」という漢字を見かけ、何と読むのか?気になってたです。このアニメを見てわかったです。
作画において、古めかしさを感じるキャラ良い感じだったです。特に背景が、この時代を見事に演出してたです。時折すずさんの絵を描くシーンや妄想などで、絵の具で描いたような作画も見事だったです。
周作さんはすずさんのことを知っていたけど、すずさんにとっては周作さんの事を分からないです。広島から呉に嫁いで、周作さんの両親や、後から帰ってきた周作さんのお姉さん、姪の晴美さんとも生活していく訳です。そのまま夫を好きになって幸せになっていったり、初めから嫌々の場合はあるかもしれないけど、ここではいろいろありながら前者の展開だったです。
すずさんの演技力というのか?話し方やしぐさが、いかにもこの時代の普通というより、のんびりしているというのか?を思わせるのが上手かったと思うです。作業しながらの曲なし歌も良い感じだったです。他のキャラも自然に溶け込んでいるのもgoodです。
中盤あたりから、防空壕が出てきたり、空襲が起きたりとその場面に対応するすずさん達が真に迫っているように見え、戦争の悲惨さが本当にあるんだなぁと思ったです。戦闘機の発砲やミサイルだか爆弾などが落とされるシーンが、リアルに見えたです。その時限式の爆弾で、{netabare}すずさん気が付くと同時に右手がなくなったり、晴美さんが帰らぬ人になったのは、非常にいたたまれなかったです。
そんないろいろなことがあり、すずさんも挫けそうになったけど、周作さんとの触れ合いや呉での生活が、原爆投下直前に思いとどまらせたです。すずさんの決心に水を差すようなこの展開は、「これでいいのだ!」ではなかったです。
日本の敗戦が知らされて、空襲などがなくなり喜ぶ人もいただろうけど、すずさんは自分が戦争で失ったものの今までが否定される思いで、納得いかなかったです。
すずさんが、広島の実家に戻った帰り道、人違いをされ続けた中で唯一周作さんだけが、すずさんだと分かり声をかけたとき、このアニメの題名の意味をだけもが認識できたのでは?でしたです。
新しい家族?にも巡り合い{/netabare}幸せになっていくといいなぁと思えたEDだったです。
2016 11.15 +