セメント さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
犯罪係数オーバー300、執行対象です
「躍る大捜査線」で有名な本広克行監督が"現代版パトレイバー"を目指して制作に乗り出したオリジナルアニメです。
脚本には虚淵玄さん、原案には天野明さんと豪華スタッフがお送りする、ProductionIGの意欲作です。
<物語>
シビュラシステムなんて実現したら、私のようなアニメオタクは確実に執行対象でしょうね。
アニメオタクは犯罪者予備軍みたいなとこありますし。
シビュラシステムは所謂ディストピアの一種ですが、その世界観は緻密に練られていて目新しさすら覚えます。
"免罪体質"である槙島との攻防を通して、管理社会の在り方に深く突っ込んでいく様は、まさしく大作のそれでした。
最初はキザったらしく思えて、斜に構えて見てたんですが、面白いものを面白いと認める素直な心も必要ですね。
面白かったです。
<作画>
浅野恭司さんや千葉崇洋さんの指揮で作画は全体的に良かったと思いますが、18話は酷かったですね、「咎狗の血」みたいでした。
収録版ではリテイクされてますから、そんな糾弾するほどでもないんですが。
2期の放送前に"新編集版"が放送してましたよね、新しいシーンも追加されていたとのことで、録画してるので何時か見たいです。
<声優>
この頃はどのアニメを見ても花澤香菜さんがいるって状態でしたよね、使いすぎの感は否めませんでした。
それ以外は有名声優を起用している印象でした。
<音楽>
凛として時雨の初アニメタイアップでしたっけ、初めてOPを見た時は異質な雰囲気出てるなと感心しました。
以降は色々な作品の主題歌を歌うようになりましたよね。
プログレ系好きな人には有名なバンドで、私の後輩がかなりのファンでした。
EDはどちらもEGOISTが歌ってますね、「ギルクラ」が好みではないこともあって、彼らのマルチ展開へのあまり関心は低です。
<キャラ>
槙島、私は勝手にマキシマムと呼んでますが、彼の存在は強大でしたね。
閉塞感しかない監視社会を打ち壊してくれるマキシマムは、最早ヒーローとして私の目に映りました。
"君はこの後、僕の代わりを見つけられるのか?"なんて、よく言ったものです。
槙島がパスカルを引用した後に、狡噛がオルテガを引用して返したシーンは、本作で一番好きなシーンです。
それから宜野座さん、人格破綻者が多い本作で彼は数少ない等身大のキャラでした。
その昔、"嫁コレ"ってアプリがあって、登録キャラの中に宜野座さんも居て、迷わず選択しちゃいましたよね。
撫でると好感度が上がりました。
静かな面白さがあるとでも言いましょうか、質アニメ好きには願ってもないような作品だったんじゃないかと思います。
でもですね、もう十二分に評価されている作品なので、話は面白いんですけど、距離を置いてしまうというか。
万人受けしそうな作品を忌避する私のような捻くれ者には、持て余す作品でした。