STONE さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
今でも色褪せない存在感
原作は未読。
絵などはさすがに今となっては古さを感じるものの、世界観、設定、ストーリーなどは今
見ても色褪せない。
いわゆるサイバーパンクの範疇にある作品で、登場するガゼットなどは80年代のサイバー
パンク小説に多く見られたりするものだが、ビジュアルを含む総合的なものとしては後に与えた
影響はかなり大きかったのでは?。
ビジュアルとしては近未来的モダンなものと、旧態依然としたものが同居したカオス的
雰囲気がなんとも魅力的。この辺は映画「ブレード・ランナー」のビジュアルイメージの影響が
ありそうだけど。
体も記憶も作ることができるような世界で、更に「人形使い」のような製造物にもゴーストが
あるとなると、自己を自己と認識する拠り所は?といった感じで、更に自己を外部媒体に移動
してもそれは自己なのか?といった要素もあり、現代の感覚からするとちょっと怖ささえ感じて
しまうのだが、テーマ自体はなかなか奥深く、かつ哲学的な印象すらある。
結末も生き残ったのは以前の草薙 素子なのか?、人形使いと統合したものなのか、あるいは
草薙素子の振りをしている人形使いなのか?と曖昧な印象で、こういう終わり方は嫌いでは
ない。
この辺の部分はある種の難解さが伴うが、そういった部分は取りあえず置いておいて、単なる
近未来アクションものとしても見ても、それなりに見応えがある。
もっともそのアクションは、攻殻機動隊と言ってもほぼ素子の一人舞台といった印象が強く、
いわゆるチームものとしての要素は尺の関係もあるがちょっと弱い。その分素子が非常に
魅力的に映るのではあるけど。