「銀河鉄道の夜[グループ・タック](アニメ映画)」

総合得点
72.8
感想・評価
116
棚に入れた
524
ランキング
1099
★★★★☆ 3.9 (116)
物語
4.0
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ほんとうのさいわい、生きるということ

作品の名前と概要は、どこかで知っていて、でも詳しくは知らなかった作品。たぶん、もともと知っている部分的な内容や、この作品から派生した作品で既視感があったのだと思う。ただ、全体のお話やアニメ映画になっているとは知らなかったので、知れてよかった。
とても幻想的で、詩的な表現をするので、1度見ただけではよく分からなかった。ので、自分の中にストンと落ちてくるまで何度か繰り返し見た。

この作品は、銀河のお祭り(日本でいうお盆の灯篭流しみたいなもの)の日に、主人公のジョバンニが銀河をめぐる旅をするお話。
ジョバンニが見た夢か現か、もしくは、ジョバンニの(ドラえもん的に言うとw)心の友のカンパネルラが見せた夢なのかもしれない。個人的には、カンパネルラが銀河のお祭りに行けないジョバンニのために見せたものかなと思う。カンパネルラ自身も銀河の旅が何か分かっていないけど、思っていたら、同じ場所にいたって感じ。

Φ(..)メモメモ
{netabare} 銀河鉄道の旅は、銀河ステーション→北十字星(はくちょう座/十字架:お墓)・プリシオン海岸(化石発掘)→鳥を捕る人→アルビレオの観測所(はくちょう座)あたり・ジョバンニの切符→わしのステーションあたり(わし座)・306番・タイタニック号・りんご→さそりの火(さそり座)→ケンタウルの村・星祭り(ケンタウルス座)→サザンクロス/南十字星(十字架:お墓)→石炭袋をめぐるお話。

・プリシオン海岸:「僕達は今120万年を一気に走り抜けてきたんだ。風みたいに。」120万年経てば、みんな石になる。今をきちんと生きろということかな。人の人生なんて、あっという間。ちっちゃいことは気にすんな、もっと大きな目で見ろ、て感じ。

・鳥を捕る人:サギ(白い鳥)の脚がクッキーみたいになって、おじさんがそのお菓子をくれる話。おじさん「みんな食べてるじゃないですか?」って。その後、鳥を捕りにおじさんが車外に出ていく。上から下に振ってくるように飛ぶ鳥を捕まえては袋に詰めていく。生きているものを食べるということだと思う。そして、「バーン」と叫んで、後ろに倒れるて消える。上から下に鳥が振りつづける。すると、いつのまにか車内におじさんが戻っている。生き物を殺して食べるのは、身の丈にあった分だけってことかな。他の作品でもこういうのみたことがある気がするんだけど、何か思い出せない。不思議な感覚。

・306番(主よみもとに近づかん):無線技師が何か聞こえると言う。タイタニック号(氷山にぶつかって沈む船)で、最後まで演奏されていた曲。あとで、家庭教師とその生徒の2人の子供が乗ってくる。

・ジョバンニの切符:他の切符と違って銀河のどこへでも行ける切符。まだ、ジョバンニは生きていて、生きている世界へも死後の世界へも行けるということかも?鳥のおじさんもさまよっているのか。消えた。おじさんのことを邪魔のような気がしていたけど、もっと話しをしておけばよかった。と後悔している2人。いなくなった人の言葉は、いなくなった後にはもう聞けない。生きているうちにできるだけ話しておいたほうがいい。
・家庭教師の話:船が沈む中、子供やお年寄り、弱い人を押しのけてまで、子どもたちを助けるよりも、このまま浮かべるだけ浮かぼうとした。一番のさいわいにいたるために、いろいろな悲しみあった、と言う。

・りんご:ひとりでに良いりんごができる約束になっている。とってもいいにおい。りんごは、善悪を知る果実。外には、かささぎ(黒地に白の模様の鳥)。別名:カチガラス。本当カラスっぽい。魔女の宅急便に出てくるカラスにも似ている。七夕の架け橋を作る伝説の鳥らしい。りんごの森。カササギが丸くなり、色が赤くなってりんごに変化する。

・新世界交響楽:とうもろこし畑。STACIO MAIZO/とうもろこし駅。ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の「家路」。よく閉館の合図に流れる曲。死者の旅の終わりが近いことを意味している。家の前に、ジョバンニのような青いネコの男の子が立っていた。小さい男の子って呼ばれているから、ジョバンニの小さい頃。さあ家に帰ろうってことかも。

・さそりの火:さそりが焼けて死んだ火。バルドラの野原で、それまでいくつもの命を獲ってきたさそりが、さそりの命を狙ってきた、いたちに命をくれずに井戸に落ちたことから、神様に「まことのみんなのしあわせのために私の体をお使い下さい」と願った。さそりは、今はみんなを夜の闇から照らすさそりの火となった。

・南十字星:死者のほとんどがここで降りた。天上へ行くところ。ハレルヤ。カンパネルラは降りなかった。降りたくなかった。
・石炭袋:全天で最も目立つ暗黒星雲。ここが、本当の天上らしい。降りるしかないみたい。ジョバンニは、どこまでも2人で銀河鉄道の旅を続けたかった。けれど・・・。カンパネルラは、別れを選ぶ。「ジョバンニ、さようなら」ここの音楽、良きかな。オカリナとマンドリンぽい楽器。

・黒い川:もとの草原で目を覚ますジョバンニ。空には今見てきた星たちと石炭袋。待っている母のために、牛乳を取り、家に帰ろうとした時、カンパネルラは、船から落ちたザネリを助けるために、自らの命を犠牲にしていたことを知った。それに、父も明日帰ってくると。それを知ったジョバンニ「僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなのしあわせのためならば僕の体なんかひゃっぺん焼いてもかまわない。カンパネルラ、どこまでも、どこまでも一緒に行くよ」と悲しみ、誓う。Campanellaは、鐘の意味がある。りんどう(釣り鐘型のきれいな青紫色)の花言葉/悲しんでいるあなたを愛する。{/netabare}

音楽はBGMがとても落ち着いて、世界観に深みを出している。ちょっと怖さもあるBGMがいい!見ると、Y.M.O.の細野晴臣さんのお名前が。そりゃ良いはずだ。
声優さんも聞いたことのある安定感のある声の方ばかり。主人公のジョバンニは田中真弓さん。カンパネルラは、坂本千夏さん。トトロのメイだ。それと、天空の城ラピュタのパズーとポム爺さんの共演がここでも見れたw最後の語り、良い味でてる。
{netabare}後、ドラえもんのアニマル惑星のチッポって、これを見て声決まったのかなぁと思った。こちらではネコ、ドラえもんではイヌの田中さん。それに、序盤の学校を俯瞰する様子が、アニマル惑星に似てる。ドラえもんのOPでなんであんな作画なのか気になっていたけど、この作品を参考にした可能性もあるのかも?アニマル惑星で死んだものも、地球で死んだものも銀河鉄道では、一緒になるていう解釈なのかな?後、星の船って、これにでてくる光る三角標のこと?セリフとかも。もろもろ影響されてそうって思った。
深く考えれば考えるほど、面白くなる作品なのは間違いない。
ただ、仏様の域なので、凡人にはそれを実行できるか、難しい。
追記
しくじり先生で作品解説がオリラジのあっちゃんからあって、なるほどと思ったので、メモ 。「人のために生きることこそが本当の幸せなんだ」
人のために命をなげだすって重たいなって思ったんだけど、こういう大きな捉え方をすれば、なんか身近に感じるし、できそうだし、したいと思った。
{/netabare}

投稿 : 2017/02/04
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