セメント さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
すかわら、濁りません
12話までが田菜編とそれ以降が横浜編で、結構ガラッと雰囲気が変わります。
話には3部構成を想定していたともありますが、多分もう見れないでしょうね。
<物語>
初めはわっくんが主人公の気持ちを反映させたもので、自分と向き合うというようなテーマなのかなと思ってたんですが、全く違いましたね。
マテリアルフェアリーにしてもわっくんにしても、少し不思議な自然現象でしかなかったのです。
作中にこんな台詞があります。
"世界は私達が思っているよりも遥かに複雑で豊かで不思議に満ちている。"
"そんなことなら昔の人ならみんな知ってたさ、あんたらがただ忘れてただけじゃないか。"
常識というその空間の最大公約数に捉われて、見えていたものが見えなくなってしまうことってよくあることだと思います。
本作では"真実とは何か?"を随所で問いかけてきます。
災害が起きたとして、ニュース番組で知った人と実際に体験した人との災害の被害状況の感じ方には、伝えられる情報量が同じでも大きな隔たりがある、にも関わらず一様に真実として取り扱われます。
須河原さんにしても、3話にて田菜の川辺でマテリアルフェアリーを見ていたのに、目に映っていたのに、見ようとしていなかった。
自分にとって都合の良い事実だけを無意識に抜き取っているに過ぎなかった訳です。
"世界は複雑で不思議なことがいくらでもあり""その世界から抜き取られる真実は人の数だけあっていい"という優しい思想が感じられて、何故だか見ていて励まされる思いでした。
<作画>
基本的に望月智充さんが絵コンテを切ってる様子でしたよね、一応監督で。
絵作りには拘りを感じましたね、脇とか膝小僧とか妙にエロティックで。
OPにもその一端が現れていますね、何よりカラフルで見てて面白いです。
動きも少ないですが、大きく崩れることもありませんでした。
<声優>
言ってしまうと華やかさのないキャスティングですが、作品の雰囲気を損ねてなくて良いのかもしれません。
桜塚やっくんが出てます。
<音楽>
OPの「光のシルエット」もEDの「少年ハミング」も好きですよ、涼しげな曲調で夏に聞きたいアニソンです。
EDの方は畑亜貴さん作詞と伊藤真澄さん作曲という「あずまんが大王」や「人類は衰退しました」でもお馴染みのコンビです。
<キャラ>
わっくんの来たし!とか待ってたし!とかは強烈で忘れがたいですね。
あとは横浜編から登場した希紗は、頭に名に付けてたんですかね、完全にうん・・・。
あと何と言っても深山姉妹の、田舎娘特有の性的に無防備な格好ですよね、あれはいけませんね。
いけません。
静岡県函南町の丹那が舞台らしいですね、一度行ってみたいです。
どうやら作中で出てきた"猫おどり"も実在するようなので。
NHKで放送してた割に知られてないアニメですけど、名作に間違いないと思います。