蟹チャーハン さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これぞ王道ファンタステス
ピュアイリュージョンなる異世界へ連れ立って冒険する少女2人とロボの物語。
現実世界と異世界の二重世界を行ったり来たりする展開は、どこかルイスの
『シルヴィーとブルーノ』を思い起こさせます。
それも割りとはっきりと自覚しているのは特徴的かもしれません。
彼女たちは異世界でミミのかけらを集めるというけれど、
それが何で目的や何個あるのかもすべて謎。
そのかけらを集める組織なんてのもあって、それがまた怪しくて
物語に暗い影を落とすスパイスになっています。
ココナとパピカ。
シルヴィーとブルーノは妖精の王家の血脈でしたが、もしかするとパピカとココナも
実は普通の中学生ではなくて何か選ばれし条件を満たした少女なのかな?
なんて思ったりもしますが、さて???
いわゆる魔法少女系アニメでにぎやかな秋アニメですが、
こちらの方が断然王道ファンタジーしてる印象です。
異世界のコンセプトもしっかりしていて、ネタバレ系サイトやブログを見ると(見ちゃうと)
いろいろな文字や絵、写真、作品から刺激をうけたのであろうクリエイターの遊び心が
随所で発揮されている感じがします。
ただ、7話まで視聴してみて、ほとんどの異世界において、
他の生物の存在が確認できない世界が多いのは残念なところかも。
荒涼とした風景や無人の街にひとりぽつんといるって展開が続くと少し寂しい気がします。
展開上、パピカとはぐれたココナがひとりさ迷うシーンが多いわけですが、
自分だったら不安で恐怖しかないでしょう。
てか、いつも一緒の2人なんですが、世界にたった2人しかいないと実感したときに
正直、怖いと思わないのかなと考えたりもするんですが・・・。
それこそ自分が大人になってしまったからかもしれませんね。
(ココナのクラスメートなヤヤカもたまに顔を出しますが、
無限にありそうな異世界のどこかにいるって感じでしょうからね)
異世界=夢の世界=楽しい。
これが前提にあるわけですが、常にココナの中には、危うさやもろさを感じてか、
危機感をもっているのも評価したいところです。
誰かの過去や記憶を改変していないか? 世界を壊していないか?
その気持ちは視聴者にも伝わってピリリとします。
物語もここから佳境にはいるのかもしれませんが、ピュアイリュージョンなる世界が
はたしてなんなのか? そこらを明確にしない方が夢は夢のままでステキかなと思うけれど、
なんとなく誰かの意識の世界を具現化したものなのかなぁ~なんて思って見ています。
そして、これを小説なりで読んで楽しむこともできるのだろうけれど、
割と難解で難読になりそうなのもあって、ダイレクトに楽しめるアニメってすごいなと思えます。