セメント さんの感想・評価
3.9
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
大正桜に浪漫の嵐!
SEGA繁栄の歴史は本作の歴史、20年前にセガサターンで発売されて以降様々なメディア展開が成され文字通りSEGAの顔と言っても差支えないでしょう。
何しろドラマチック・アドベンチャーと銘打たれた本作のジャンルは、シュミレーションとアクションの融合という当時では斬新な発想で、あの頃のオタクは皆一様に本作に嵌りに嵌っていたのです。
<物語>
アニメは①桜華絢爛、②轟華絢爛、③サクラ大戦TV、④活動写真、⑤すみれ引退、⑥エコールド巴里、⑦ルヌーヴォー巴里、⑧ニューヨーク紐育と発表され、時系列順でいえば、①→③→②→⑥→④→⑦→⑤→⑧という流れです。
OVA版の桜華絢爛と轟華絢爛、巴里編に紐育編は原作の設定に沿っていて作画も良いのですが、如何せん短いのでファンムービーの域を出ません。
ということでアニメというと、このサクラ大戦TVが主柱になるのかなと思うのですが、これがまた問題作なんですよね。
花組の皆が始終暗い雰囲気なんですよね、さくらが上京したばかりで周囲と打ち解けてない様子には胸が痛みました。
さらに舞台稽古の重圧で夢遊病や過食症を起こすこともあって、ここまで辛気臭くする必要はあるのかと思うことも屡々。
アイリスの性格も暗くなっているし、あやめさんに至っては殺女設定が丸々削られています。
敵である脇侍もグロテスクな見た目に改変され、倒されると臓物をぶちまけるという代物に。
ラスボスもサタンではなく大きな石、開いた口が塞がらないとはまさにこのことです。
そんな散々なアニメですが、叉丹に一騎打ちを挑む米田や催眠術で刹那を倒す加山が見れるといった特典もあるので・・・。
<作画>
原作のスタッフは、広井王子、あかほりさとる、藤島康介、田中公平とレジェンド級です。
3のOPは製作費が1億円だとか3億円だとか言われていますが、真偽の程はどうであれ確かに物凄いですよね。
1も2もOPは手間暇掛けて作ってるなと感じます。
原作のOPが素晴しいだけにアニメが良くも悪くもOPだけになってしまっている点が惜しまれます。
<声優>
"歌謡ショウ"として本作の舞台を声優自らやってのけるようなコンテンツですから、声優の要素は極めて大事と言えるでしょう。
今でも横山智佐さんなどを他のアニメで見かけると、本作を思い出さずにはいられません。
本作のキャラのカラーがそのまま自身のカラーになってて、声優としては大変な思いをされる方も多かったんじゃないですかね。
事実私も、神崎すみれ役の富沢美智恵さんに関しては、別に引退していないのにOVAのせいで引退したと勘違いしてました。
<音楽>
テレビ版が全25話あるのですが、25回もOPの「ゲキテイ」が聞けることに喜びを感じていただきたい。
後期EDの「ゲキテイ音頭」も、カンナ役の田中真弓が歌ってるんですが、味があって癖になりますね。
キャラソンも頻繁に作中で流れてるんですが、とにかく音楽は最高峰です。
本作の大部分の楽曲を網羅した"サクラ大戦全曲集 COMPLETE SONG BOX"が発売されてるんですけど、高くて手が出ませんね。
<キャラ>
勝利のポーズ、決めっ!
"大正浪漫堂"や"歌謡ショウ"と聞くと懐かしさで憤死する方も多いんじゃないでしょうか。
アニメだけ見ていると、世のオタクが本作に熱狂した時代を想像し難いのかなとも思いますが。
教養的な意味合いで言っても、見ておくべき作品なのかなと思いますよ。