セメント さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
夢を叶えるために、大人になるんだ
庵野秀明監督作品で、褐色娘の代表的存在で、主題歌も有名ですからね。
アニメオタクの基盤的な作品だと思います。
<物語>
物語後半で明かされる、"ウルトラマンが猿から人間に進化させた"って設定は庵野さんの色が出てるなぁって印象ですね。
作中でもちゃっかり"M78星雲の宇宙人"って言っちゃってますし・・・。
実際ウルトラマンの裏設定として元は人間体サイズだったらしいですね。
なので彼らの古い種族が"ネオアトランティス人"として地球に降り立ったと考えれば、強ち妄言でもないと。
それと、海洋冒険譚とか謳われてる割りに、潜水艦で潜ってばっかりで地球上のどこに居るのか分らない事が多いのは、些か違和感がありますね。
これよりは「七つの海のティコ」とかの方が余程海洋冒険譚を名乗るに相応しい感じがします、本作はSF要素で勝負ですね。
<作画>
作画は、島編に酷い回もありますが、今の目から見ても冴え渡っています。
本田雄さんとか名立たるアニメーターが揃ってますね。
本田さんの描かれたナディアの複製サイン色紙は今でも私の部屋に飾ってあります。
聞くところによると、NHKが"ジブリっぽいの作ってよ"とガイナックスに下請け制作を依頼した経緯があって、ガイナックスは版権を持ってないんですよね。
版権による収入が無く貧乏まっしぐらだったのガイナックスは、次から版権事情を徹底して「エヴァ」の製作に取り掛かったとか。
<声優>
当時の無難な有名どころを使っている印象ですね。
ちなみに私はモノラル放送から聞こえてくる堀内賢雄さん演じるサンソンの物真似を十八番としています。
そんなサンソン達が歌って躍る34話はもう垂涎ものですよ・・・。
<音楽>
OPもEDもこれまで耳に蛸が出来るほど聞いて若干食傷気味です。
でも良いですよね、最終回のマリーが紙飛行機を飛ばしてEDに繋がるシーン、あぁいうの好きです。
<キャラ>
とにかくナディアの菜食主義が如何に無茶苦茶かという話ですよ!
動物の死体を食べるのが嫌だ、とかそんな理由なんですが、もう目に余ります。
卵は普通に食べてるんですよ!アイスクリームも餃子も肉味のフライドポテトも食べてますし。
島編で動物を殺すなと宣っておきながら蚊は容赦なく潰しますし、一体ナディアは何を考えているのでしょう。
これに関しては庵野さんの偏食をそのまま反映させたらしいですが、ナディアの我が儘を押し付けられるジャンの聖人っぷりと来たら・・・。
"理想的なヒロイン"と掛け離れた悪逆非道な性格が当時は斬新だったのでしょう、ナディアが褐色好きの入口になったという方は多いと聞きます。
ただ、一つだけ言えるのは、髪が濡れた時のナディアは、可愛いということです。
明るく楽しそうな雰囲気ながら、どこか戦争の影を感じたり死が付き纏っていたり、或いは宗教的な解釈が求められたり、作品を語る上で一筋縄じゃいかないところも、オタク心を擽るのでしょう。
見ておくべきアニメの一つだと思います。