富士山 さんの感想・評価
3.7
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
絶望しかない
トリックを使った殺人事件。
日常生活を過ごしている私たちが遭遇しうる殺人事件では、確かに犯人が分からないようにするための手段になりうる。
しかし、絶望の学園で起こる殺人事件で、トリックを使ってしまうと自分が犯人だと確定させる確率が高まるだけだと考えてしまうのは私だけであろうか?
「学園を抜け出すには、殺人を犯しなおかつ学級裁判で自分が犯人だと多数決により選ばれないことが条件である」
と、モノクマによって語られる。
そもそも、この条件時であっても殺人事件を起こそうとも思わないが(そもそもモノクマが無事に学園から出してくれるとは考えにくいため)、仮に起こすとしたら、直接的に危害を加えない無差別的な殺人(毒物を食材に混入、トラップを仕掛ける等)だろう。
最悪でも、トリックを用いない直接的な殺人であろう。
そもそも、科学的な捜査(DNA鑑定等)さえ行えない&単独行動をしている者も多い中そちらのほうがまだばれないだろう。
しかし、何故か殺人犯はトリックを使った殺人をしようとする。
例えば、犯人が他の人が殺人を犯したと思わせるようなトリックをしたとしよう。
確かに、その他の人が被害者に相当な恨みを持っていた等の理由があれば有効な手段になりうる。
しかし、このアニメの場面ではどうだろうか?
そもそも、彼らは、学園の生徒については初対面のようなものであるし、特定の人物に対して恨みを持っているとは到底考えにくい。
なおかつ、ばれたら殺される場面で堂々と自分が犯人だといわんばかりの殺害方法をとるとは考えにくい。(それを逆手にとり、正々堂々と殺害することも考えることも可能ではあるが)
つまり、怪しすぎる人物はかえって犯人ではないことを確定させてしまう。
更にいえば、トリックを使った場合、ある一部の人間しか行えない場合も発生し、トリックが判明した場合状況証拠により犯人だとばれてしまう確率が高まってしまう。(アニメでは、実際にそれで判明してしまう)
このように考えてしまうの私にとっては、突っ込みどころが満載のアニメであり、このアニメにのめりこむことが出来なかった。
推理要素の排除、つまり恐らくこのアニメの一つの要素であるホラーアニメとしての一面を全面に打ち出したほうが面白くなったのではないかと考えてしまう。
そういう意味ではこの作品に絶望してしまった。